公明党の杉久武です。
私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました令和五年度決算について、石破総理並びに関係大臣に質問をいたします。
先月、十一月六日、会計検査院は内閣に対し、令和五年度決算検査報告を送付しました。この検査報告に記載された総件数は三百四十五件、指摘金額は約六百四十八億円となっております。
検査報告での指摘事項は様々でありますが、税金が不適切に使われることのないよう、政府として指摘項目の再発防止に全力を挙げるべきと考えます。再発防止に向けた総理の見解を求めます。
次に、特定検査対象に関する検査状況で取り上げられた防衛予算の執行状況について伺います。
我が国が取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、必要な防衛力の抜本的強化を実現する必要があるとして、令和四年十二月に策定された新防衛三文書に基づき防衛力整備のために必要な金額が大幅に増加されることから、防衛予算の執行状況については、政府にはより丁寧な説明が求められます。
しかしながら、多額の装備品等を複数年度契約で調達し、その支払が契約締結の翌年以降に発生する防衛予算の特殊性から、その全体像を把握するためには非常な困難が伴います。
そのため、検査院からは、防衛省の毎年度の歳出予算におけるいわゆる三分類の区分や、スタンドオフ防衛能力を始めとする十五の分野について、予算上の管理のみならず決算段階の状況についても分かりやすく開示することが求められておりますが、国民に対する説明責任を十分に果たすためにも、防衛予算の執行状況についてどのように見える化を進めていくのか、総理の見解を求めます。
次に、IT導入支援事業について伺います。
IT導入支援事業は、ITツールの導入を希望する中小企業や小規模事業者が登録済みのIT導入支援事業者からITツールを導入した際、その経費の一部の補助が受けられる事業ですが、検査院によると、この支援事業において不適正ベンダー十五者による大規模な不正などが指摘され、検査院による意見表示や処置要求は九億五千六百四十八万円、不当事項は一億四千七百五十五万円となっておりますが、これら不正に伴う影響額が実に五十八億三千万円近くに及び、不正の全容が検査院の指摘にとどまらないおそれがあることから、更なる調査等を行わせ、不正が判明した場合には速やかに補助金を返還させるとともに、不正に関与したIT導入支援事業者の登録取消しや公表を行うように要求をしております。
このような不正は断じて許されるものではなく、厳格な対処が必要と考えますが、検査院の指摘に対する現在までの取組状況について確認するとともに、不正の全容解明と再発防止をどのように進めていくのか、経産大臣の見解を求めます。
次に、政府機関等における資金管理の効率化について伺います。
財務省が公表した令和五年三月末の国の連結財務書類では現預金残高は約九十一兆円で、資産合計の九・四%を占めます。一方、国の借金である公債は約一千百三十三兆円に上り、公債に係る利払いの負担は少なくありません。
そこで、将来を見据えた持続可能な財政運営を行うためにも、例えば民間で行われている、企業全体の資金を集約して資金融通を効率的に行い、利息負担を削減するキャッシュプーリング等の手段を国の行政機関や独立行政法人などが保有する現預金等にも導入して、利払いの抑制を行うべきと考えます。仮にキャッシュプーリング等によって国の現預金残高を半分にできれば、平均的な利率で計算しても年間二千六百億円の利払いを削減することが可能です。キャッシュプーリング等の導入検討について、財務大臣の見解を求めます。
次に、行政コストの見える化について伺います。
公明党は財政の見える化を一貫して主張してまいりましたが、公明党の主張を受け、財務省では平成二十六年度決算分から試行的に個別事業のフルコスト情報の開示を進めてまいりました。これは、ある事業を行うに当たり、事業の直接的な経費である事業費だけではなく、事業に付随する人件費や物品購入費といった様々な費用を含めて事業全体のフルコストを把握し、その上で、人口一人当たり、利用者一人当たり、あるいは業務一日当たりといった単位当たりの金額を算出して開示するものです。
そして、これまで積み重ねてきた試行的開示の成果を踏まえて、令和二年度決算分から事業別フルコスト情報として本格的な取組を開始しましたが、これら本格的な取組によって行政コストの見直しにどのような成果が得られているのか、財務大臣の見解を求めます。
最後に、教育に関して伺います。
公明党は重点政策において、二〇三〇年代の大学等の無償化を目指し、大学等の修学支援新制度の対象者の拡大や給付額の拡充を明記し、その実現に向け鋭意取り組むとともに、高等学校等の授業料は所得制限を撤廃して、国公私立を問わず実質無償化することを掲げております。
一方、道半ばの現状では、段階的な所得制限があり、その制限の中で不利益を受けている方への対応もしっかりと進めていかなければなりません。その一つが、早生まれ生徒が就学支援を受ける際に生じる問題です。
五年ほど前、私の地元大阪で、高校生のお子さんを持つ親御さんから相談を受けました。私立高校に通うお子さんのために高等学校就学支援金を受けようとしたところ、所得制限にぎりぎり引っかかってしまい、受給対象外となってしまいました。その原因を調べると、お子さんが早生まれであったということだけの理由で扶養控除が適用されず、想定よりも住民税が大きくなったためであったということが判明したのです。
この問題を何としても解決しなければならないと決意した私は、以来、何度となく予算委員会で取り上げるとともに、文科省とも調整を重ねた結果、これら不利益を解消するための早生まれの生徒等に関する判定基準の見直しについて、高等学校の就学支援金については令和四年七月分から、そして同じような問題が生じる高等教育の修学支援新制度については令和四年十月から見直されることとなりました。
しかし、これらの対応策はいまだ生徒本人が早生まれの場合に限られているため、本人以外の、例えば早生まれの双子や、あるいは年子の兄弟がいる場合はこうした見直しが反映されていないという課題が残っております。
これら残された課題についても、高等学校の就学支援金や高等教育の修学支援新制度の所得判定で不利益を受けることがないよう早急に検討し、見直しを実施すべきと考えますが、議論の状況及び検討の方向性について、文科大臣の見解を求めます。
最後に一言申し上げます。
国会の決算審査は、予算の執行状況をつぶさに検証し、その結果を次の予算編成に生かしていく、言わばPDCAサイクルのチェック機能を担っております。私も決算の参議院の一員として、令和五年度決算の審査をできる限り速やかに行い、かつ充実した質疑となるよう全力を尽くすことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
11
中谷元(自民)防衛大臣
青木愛議員にお答えをいたします。
会計法令遵守を徹底をさせるために、そのための具体的な取組方針についてお尋ねがありました。
防衛省におきましては、本年十一月の会計検査院による令和五年度の決算検査報告におきまして、議員の御指摘の不適切な契約変更の指摘を含む五件の指摘を受けたところです。
議員御指摘の事案につきましては、早期に施設を整備する必要があるとして行われたものの、会計法令等に関する周知が十分でなかったということが要因だと考えております。
また、これまでの会計検査院の指摘に対しては、従来より、改善事項の周知徹底、これを図ることで再発防止を図って…
この発言のページ
12
武藤容治(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
青木愛議員の御質問に答えます、お答えさせていただきます。
サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金についてのお尋ねがありました。
会計検査院からは、中小機構及び補助金事務局において補助事業の不適切な実施に係る事態の是正及び改善を図るための措置が講じられていなかったこと、また、経済産業省及び中小企業庁においてそうした措置を講じるための指導、助言が十分でないことが原因である、この指摘を受けたところであります。
会計検査院からの指摘を受けて、経済産業省として、本事業を執行する中小機構及び事務局に対して指導を行い、既に不正受給が認められた補助事業に対し…
この発言のページ
13
関口昌一議長
杉久武君。
〔杉久武君登壇、拍手〕
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- (上の発言)
14
杉久武(公明)
公明党の杉久武です。
私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました令和五年度決算について、石破総理並びに関係大臣に質問をいたします。
先月、十一月六日、会計検査院は内閣に対し、令和五年度決算検査報告を送付しました。この検査報告に記載された総件数は三百四十五件、指摘金額は約六百四十八億円となっております。
検査報告での指摘事項は様々でありますが、税金が不適切に使われることのないよう、政府として指摘項目の再発防止に全力を挙げるべきと考えます。再発防止に向けた総理の見解を求めます。
次に、特定検査対象に関する検査状況で取り上げられた防衛予算の執行状況について伺います。
我が国が取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、必要な防衛力の抜本的強化を実現する必要があるとして、令和四年十二月に策定された新防衛三文書に基づき防衛力整備のために必要な金額が大幅に増加されることから、防衛予算の執行状況については、政府にはより丁寧な説明が求められます。
しかしながら、多額の装備品等を複数年度契約で調達し、その支払が契約締結の翌年以降に発生する防衛予算の特殊性から、その全体像を把握するためには非常な困難が伴います。
そのため、検査院からは、防衛省の毎年度の歳出予算におけるいわゆる三分類の区分や、スタンドオフ防衛能力を始めとする十五の分野について、予算上の管理のみならず決算段階の状況についても分かりやすく開示することが求められておりますが、国民に対する説明責任を十分に果たすためにも、防衛予算の執行状況についてどのように見える化を進めていくのか、総理の見解を求めます。
次に、IT導入支援事業について伺います。
IT導入支援事業は、ITツールの導入を希望する中小企業や小規模事業者が登録済みのIT導入支援事業者からITツールを導入した際、その経費の一部の補助が受けられる事業ですが、検査院によると、この支援事業において不適正ベンダー十五者による大規模な不正などが指摘され、検査院による意見表示や処置要求は九億五千六百四十八万円、不当事項は一億四千七百五十五万円となっておりますが、これら不正に伴う影響額が実に五十八億三千万円近くに及び、不正の全容が検査院の指摘にとどまらないおそれがあることから、更なる調査等を行わせ、不正が判明した場合には速やかに補助金を返還させるとともに、不正に関与したIT導入支援事業者の登録取消しや公表を行うように要求をしております。
このような不正は断じて許されるものではなく、厳格な対処が必要と考えますが、検査院の指摘に対する現在までの取組状況について確認するとともに、不正の全容解明と再発防止をどのように進めていくのか、経産大臣の見解を求めます。
次に、政府機関等における資金管理の効率化について伺います。
財務省が公表した令和五年三月末の国の連結財務書類では現預金残高は約九十一兆円で、資産合計の九・四%を占めます。一方、国の借金である公債は約一千百三十三兆円に上り、公債に係る利払いの負担は少なくありません。
そこで、将来を見据えた持続可能な財政運営を行うためにも、例えば民間で行われている、企業全体の資金を集約して資金融通を効率的に行い、利息負担を削減するキャッシュプーリング等の手段を国の行政機関や独立行政法人などが保有する現預金等にも導入して、利払いの抑制を行うべきと考えます。仮にキャッシュプーリング等によって国の現預金残高を半分にできれば、平均的な利率で計算しても年間二千六百億円の利払いを削減することが可能です。キャッシュプーリング等の導入検討について、財務大臣の見解を求めます。
次に、行政コストの見える化について伺います。
公明党は財政の見える化を一貫して主張してまいりましたが、公明党の主張を受け、財務省では平成二十六年度決算分から試行的に個別事業のフルコスト情報の開示を進めてまいりました。これは、ある事業を行うに当たり、事業の直接的な経費である事業費だけではなく、事業に付随する人件費や物品購入費といった様々な費用を含めて事業全体のフルコストを把握し、その上で、人口一人当たり、利用者一人当たり、あるいは業務一日当たりといった単位当たりの金額を算出して開示するものです。
そして、これまで積み重ねてきた試行的開示の成果を踏まえて、令和二年度決算分から事業別フルコスト情報として本格的な取組を開始しましたが、これら本格的な取組によって行政コストの見直しにどのような成果が得られているのか、財務大臣の見解を求めます。
最後に、教育に関して伺います。
公明党は重点政策において、二〇三〇年代の大学等の無償化を目指し、大学等の修学支援新制度の対象者の拡大や給付額の拡充を明記し、その実現に向け鋭意取り組むとともに、高等学校等の授業料は所得制限を撤廃して、国公私立を問わず実質無償化することを掲げております。
一方、道半ばの現状では、段階的な所得制限があり、その制限の中で不利益を受けている方への対応もしっかりと進めていかなければなりません。その一つが、早生まれ生徒が就学支援を受ける際に生じる問題です。
五年ほど前、私の地元大阪で、高校生のお子さんを持つ親御さんから相談を受けました。私立高校に通うお子さんのために高等学校就学支援金を受けようとしたところ、所得制限にぎりぎり引っかかってしまい、受給対象外となってしまいました。その原因を調べると、お子さんが早生まれであったということだけの理由で扶養控除が適用されず、想定よりも住民税が大きくなったためであったということが判明したのです。
この問題を何としても解決しなければならないと決意した私は、以来、何度となく予算委員会で取り上げるとともに、文科省とも調整を重ねた結果、これら不利益を解消するための早生まれの生徒等に関する判定基準の見直しについて、高等学校の就学支援金については令和四年七月分から、そして同じような問題が生じる高等教育の修学支援新制度については令和四年十月から見直されることとなりました。
しかし、これらの対応策はいまだ生徒本人が早生まれの場合に限られているため、本人以外の、例えば早生まれの双子や、あるいは年子の兄弟がいる場合はこうした見直しが反映されていないという課題が残っております。
これら残された課題についても、高等学校の就学支援金や高等教育の修学支援新制度の所得判定で不利益を受けることがないよう早急に検討し、見直しを実施すべきと考えますが、議論の状況及び検討の方向性について、文科大臣の見解を求めます。
最後に一言申し上げます。
国会の決算審査は、予算の執行状況をつぶさに検証し、その結果を次の予算編成に生かしていく、言わばPDCAサイクルのチェック機能を担っております。私も決算の参議院の一員として、令和五年度決算の審査をできる限り速やかに行い、かつ充実した質疑となるよう全力を尽くすことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
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石破茂(自民)内閣総理大臣
杉久武議員の御質問にお答えをいたします。
決算検査報告の指摘事項の再発防止についてお尋ねをいただきました。
会計検査院の決算検査報告につきましては、厳粛かつ真摯に受け止めておるところでございます。
検査報告事項につきましては、令和六年度補正予算で計上している低所得世帯向け給付金や電気・ガス料金負担軽減支援事業について事務費などが過大にならないよう配慮するなど、事務事業の在り方の見直しに努めております。また、各種の会議や研修における適正な会計処理の周知徹底などを進めることで確実な改善に努めてまいります。
防衛予算の執行状況についてお尋ねを頂戴いたし…
この発言のページ
16
加藤勝信(自民)財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)
杉議員より、政府機関などにおける資金管理の効率化についてお尋ねがありました。
委員御指摘のとおり、国等の資金管理の効率化は重要であると考えております。国の資金管理については、一般会計、特別会計を含む国庫全体で日々の財政活動に必要な資金を管理しており、租税等の歳入を受け入れる日と支払を行う日を極力合わせるほか、一部の会計間で余裕金を融通するなど、現金、預金をできる限り保有しないことで利息負担を極力抑制する取組を行っており、既に議員御指摘のキャッシュプーリングと同趣旨の取組を実施するよう努めているところでございます。
さらに、こうした取組を拡大していくこ…
この発言のページ
17
武藤容治(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
杉久武議員の御質問にお答えをします。
サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金についてお尋ねがありました。
会計検査院からの指摘を受け、経済産業省として、本事業を執行する中小機構及び事務局に対して指導を行い、既に不正受給が認められた補助事業者に対して補助金を返還させるなど、厳正に対処をしました。また、全容解明のため、同様の不正受給が行われていないか調査を行っており、不正受給が発覚した場合には厳正に対処してまいります。
加えて、同機構等に対し、不正事案に更に厳格に対応していくとともに、IT導入支援事業者やITツールの審査の厳格化、立入調査の強化等…
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