石田昌宏 (自由民主党)

2026年3月19日・第221回国会 参議院 予算委員会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 23 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 368 発言)

ありがとうございます。

この思い、とても重要だと思っています。これがあるからこそ、自衛隊員は信頼をして逆に頑張っていけるんだというふうに思いますから、この構築が必要ですが、ただ、今の現状を見ると決して十分なものであるとは思えません。

一九九六年なんですけど、こういうデータが発表されました。戦闘の死者の約九〇%が野外の治療施設に到着する前に命を失っているというデータです。このデータを基にして、世界各国では新しい体制をつくり始めています。第一線での受傷から後方への専門治療に至るまでの一貫した医療体制をきちんと整備するということです。いかに医療体制が整備されたとしても、生きて治療施設までたどり着かなければ救命できません。体制の中で、特に受傷直後、その場での対応をどうするかが最も重要な段階であります。

アメリカですけれども、もう明確な救急目標というのを既に立てています。そして、それを達成するために、TCCCというんですけれども、標準的なガイドラインをきちんと作って、それを、ただガイドラインを作るだけじゃなくて、全将兵、全ての人間に対して、救急、そして応急治療、専門治療までどうするかということを徹底的に訓練しています。そして、その結果が、後で説明しますけれども、大きな成果を生んでいます。

自衛隊では、二〇一五年に、このことに関して防衛省・自衛隊の第一線救護における適確な救命に関する検討会を開催して充実を図っていますけれども、その中身を見る限りでは、現代の戦闘に実効性のあるものとなかなか考えることが難しいです。

米軍のデータなんですけれども、これ資料四を見ていただきたいんですけれども、ベトナム戦争の頃から、四肢、両手両足の出血による死亡をこの体制をつくることによって五分の一まで減らしています。また、気胸に関する死亡に関しては三十三分の一まで激減させています。昔は防ぎ得たらいいなと思っていた死が、今は防ぎ得る死になっておりますので、本当に進化しています。

一方、自衛隊でもこれをまねしてある程度のことはやっているんですけれども、例えば出血に対して止血帯を個人装備で配っていますけれども、実際その配り方の量や教育の中身を見ると、実際の効果は四%程度しかないんではないかというふうに言われています。完全に衛生資材が不足していて、また止血法の教育が標準化されておらず、しかも徹底していないという、この原因になります。

また、陸上自衛隊なんですけれども、救命ドクトリンというのがあって、これは、受傷してから十分以内にしっかりと救護が終える、そして一時間以内に後方に行ってダメージコントロールのオペを受ける、こういったのを目標にして今体制を組もうとしています。

ただ、最近のドローンなどを使った戦場を見てみると、この対応が多分間に合わないと思っています。例えばドローンが爆弾を投下したときには、ただ投下するんじゃなくて、爆薬の周りに鉄球というか、そういったもの、破片を入れて、一回で一万発以上のちっちゃな弾頭が飛んできます。それを上から飛んできます。そして、同時に一人の体に何百発って弾が当たります。そうすると、全身から出血を起こすんですね。そうすると、もう全身の出血が大きいですから、大体二分以内ぐらいにもう出血を止めなければなりません。今、自衛隊は、止血バンド二本しか持っていません。こんなの止まるわけがなくて、もっと大量の器具を持たなければできません。だから、最近は、もう完全に爆発力が上がりましたから、最近のテーマは、体幹そのものからの出血をどう止めていくかという話です。

また、野戦病院に戻ろうと思っても、上からドローンが監視していますので表から出れません。ウクライナではトンネルを三日間掘り続けて何とか救護まで行ったという話ですから、十分じゃないんですね、一時間じゃないんですね。もう何日という世界も存在していますから、根本的に今の救命ドクトリンそのものを変えていかないと命を守ることができないと思います。

さらに、日本の同盟国や準同盟国に関しては、TCCC、先ほどのガイドラインに加えて、もう一段上の延命応急処置ガイドラインの整備も進んでいて、隊員の命を絶対守ろうという仕掛けをつくっていますけれども、どうも日本は一周も二周も遅れている感じがありますので、是非大臣、これを進めるために、ちゃんとした救命目標の設定とか、実効性のあるドクトリンですとか、そのためのガイドラインの指定とか、さらに衛生材料の整備、資材の整備、そして何よりも教育と訓練の徹底、こういったことを是非進めていっていただきたいと思います。いかがでしょう。

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