宮出千慧 (参政党)

2026年4月7日・第221回国会 参議院 本会議 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 15 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 24 発言)

参政党の宮出千慧です。

私は、会派を代表し、政府提出の令和八年度予算三案について、反対の立場から討論いたします。

まずは、本年二月より始まった中東紛争によって多くの尊い命が犠牲となっており、大変心を痛めております。一日も早い紛争の終結を祈り、心から哀悼の意をささげます。

例年ですと、この時期には既に新年度予算が成立し、四月一日から様々な政策がスタートいたします。しかし、高市総理による電撃的な衆議院解散により、つなぎ予算を通したとはいえ、本予算が執行されない影響が出ております。この日程では、参議院において予算案が年度内成立しないのは通例を鑑みれば明白であります。にもかかわらず、早めに暫定予算を組んで、しっかりとした予算審議をせずに議決をしようとするのは、議会軽視、国民軽視と言わざるを得ません。

さて、高市政権では責任ある積極財政を掲げておりますが、まず申し上げたいのは、新規国債発行額は二年連続で三十兆円を下回り、プライマリーバランスは一・三兆円の黒字を達成しております。政府はこれを積極財政と呼んでおりますが、果たしてそう言えるのでしょうか。これはむしろ緊縮財政であり、歴代政権が推進してきた財政健全化路線の継続にほかならないのではないでしょうか。

次に、政府は国内投資の徹底的な推進を掲げておりますが、これまで進められてきたグローバリズムの延長線上での大企業偏重の投資では、生み出された利益は株主配当として海外へ流出するだけであります。十七の戦略分野への重点投資が示されておりますが、そもそもその選定基準は何でしょうか。それ以外の産業に従事する方々への目配りはどうなるのでしょうか。

これらの業種への投資が不足していたことは事実です。それらの投資を拡大することには賛成いたします。

しかし、同時に必要なのは、医療、介護、保育、教育、物流、そして生活インフラ維持や第一次産業に携わる人々など、国家の基盤を支える皆さんの賃金を引き上げることであります。株価がいかに上昇しようとも、その恩恵を受けるのは株主のみであり、日々懸命に働く国民の皆さんの生活は何ら改善されません。

参政党は、一貫して反グローバリズムを主張してきました。

グローバリズムとは、国境を越えて資本を動かすことができる多国籍企業や資本家が、自身の商売をしやすくするために、その資本力を武器として、各国政府に法人税の引下げや人件費抑制のための構造改革を要求し続けてきたことであります。その結果、各国政府は、自国民の声よりも資本家の論理を優先するようになってしまいました。

この構造を是正するためには、コーポレートガバナンス改革の見直しと一定の資本規制が不可欠であります。

日本の失われた三十年と言われる長期停滞の根本には、グローバリズムの弊害があります。ここから目を背けたまま政策を進めても、日本の復活はあり得ません。

そして、日本の成長を妨げてきた最たるものが消費税であります。総理は現役世代に負担が集中することがないから良い税金なのだとおっしゃいますが、価格転嫁もままならない中小零細企業やフリーランスの方々にとって、その負担がいかに重いか、真剣に考えていただきたい。

そして、看過できないのは、中小企業を苦しめる消費税は上げ続けた一方で、法人税は下げ続けてきたという事実であります。これでは、大企業優遇、中小企業切捨てと言われても仕方がないのではないでしょうか。

さらに、何度も申し上げるように、消費税は賃上げ妨害税であります。

現在、政府は人手不足を移民受入れの根拠として強調しておりますが、問題の本質は人手不足ではなく賃金不足であります。

失われた三十年の間、消費税増税が進み、企業は賃上げをしづらくなりました。それに加え、非正規雇用の拡大により実質賃金は下落し続け、日本人が就きたがらない仕事が増えました。外国人を受け入れる前に、まず現場で働く人々に敬意を払い、学歴にかかわらず、どんな仕事であっても真面目に働けば家族を養えるだけの賃金が得られる社会をつくることが先決であります。現に、我が国には百七十六万人の完全失業者が存在しております。外国人雇用のための助成金に財源を充てるより、働きたくても働けていない日本人を雇用することにこそお金を使うべきではないでしょうか。

更に申し上げます。移民受入れに伴う諸問題、治安の悪化、土葬問題、教育現場への負担増大、これらのツケは全て現場と国民個人に押し付けられております。多国籍生徒への対応に追われ、外国籍生徒への対応に追われ、日本人の子供たちの教育がおろそかになっていないか、政府は真剣に向き合うべきであります。

帰化要件の見直しや土地取得などに関する規制の在り方など、これまで着手されていなかった懸案事項への取組は評価いたしますが、それだけでは不十分であります。外国人受入れの総数をゼロベースで抜本的に見直すことを政府に強く求めます。

次に、少子化対策について申し上げます。

日本人の希望出生率は一・八であるにもかかわらず、二〇二四年の合計特殊出生率は一・一五となっており、政府はその希望をかなえる手助けをしてきませんでした。

失われた三十年を放置し続け、若者にこんな希望のない時代に子供を産みたくないと思わせてしまった、その責任は極めて重いと申し上げなければなりません。

また、共働き、共育ての推進や、女性が輝く時代という掛け声は、働く女性にのみ価値を置き、専業主婦に後ろめたさを感じさせる社会をつくってしまいました。

その結果、現在、二十代夫婦の八八・五%は共働きであり、女性は家事に育児に仕事にと、全てを要求されるようになりました。女性への負担が余りにも大きくなり過ぎていることを政府は真剣に受け止めるべきではないでしょうか。

決して共働きを前提とせず、女性の希望に合わせて子育てができる環境づくりのために支援をするべきであります。

我が党は、子供一人当たり月十万円の給付を政策として掲げておりますが、それは子育て中の女性の経済的負担を軽くし、そして何より子供が親とともに過ごす時間を増やすためであります。特に、ゼロ歳から三歳までの愛着形成は重要であります。行き過ぎた母子分離政策を見直し、幼児期にしっかりとした愛着形成を行うことで、自己肯定感が高く、他者を思いやれる子供が育ちます。失敗しても戻れる場所があるという安心感が子供たちの挑戦心を育み、ひいては犯罪の少ない思いやりのある社会、イノベーションを生み出せる社会の形成につながると私は確信をしております。

また、少子化対策とは、日本人の子供を増やすことを目的とするために財源を集中すべきであり、外国人への出産・育児支援給付には明確に反対をいたします。

最後に、高校無償化について申し述べます。

まず指摘しなければならないのは、外国籍生徒への支給についてです。国民の税金を投じる以上、その要件は厳格に精査されるべきであります。

また、画一的な無償化を進める前に、各地域の特色を生かした独自の教育を推進することにこそ財源を充てるべきではなかったでしょうか。地域の教育が活性化してこそ、地方の再生につながります。

無償化と教育改革を同時に進めると政府はおっしゃいますが、定員割れによって地域の公立高校が廃校に追い込まれる方が先に現実となりかねません。地域の実情を無視したまま進める政策に実効性があるとは到底思えません。

何より問題なのは、地域の特性を考慮した効果検証もないまま、耳触りの良い無償化という名の税金化を進めることであり、これは教育を利用した人気取りであり、真の教育政策とは言えないと考えます。

さらに、人材不足分野があるというのであれば、その分野をしっかりとカバーできるだけの人材育成をするために、教育の構造を立て直し、予算を投入すべきであります。

現在起こっている社会問題は、全て人がつくり出しております。意味のない気候変動対策などに巨額の予算を投じるのではなく、国家を支える人にこそ投資をすべきであるということを申し上げて、私の反対討論といたします。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

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