松井信憲法務省民事局長

2026年6月9日・第221回国会 参議院 法務委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 65 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 130 発言)

お答え申し上げます。

まず、特定補助人を付する旨の審判の必要があると認めるときについて申し上げますと、これは、本人を保護するため、法定の重要な財産行為をいずれも取り消すことができるようにしておくことが必要であることを意味しており、先ほど引用していただいたとおり、具体的には、本人が外形的に法律行為と見える行動を取る可能性があり、かつ、その利害得失を理解し検討することなく、法定の重要な財産行為に該当する不利益な行為をする危険があることを内容とします。

このような必要性の有無は、家庭裁判所において、個別の事案に応じ、本人の精神の状況、生活の状況、周囲の者とのコミュニケーションの状況、これまで本人がした法律行為やその法律行為をした状況など、種々の具体的な事情を考慮して判断されるものと考えられます。

例えば、本人が認知症等で通院治療等を受けつつ、地域社会で生活をし、名前等を記載することができるような活動をすることができ、過去に重要な財産行為について不利益な取引をしたことがあり、特定補助人を付する旨の審判の請求権者が本人との間でコミュニケーションを十分に取れないなど、本人の行動を的確に予測することができない場合には、特定補助人を付する旨の審判の必要性が認められると考えられます。

そして、御質問にございました口頭による法律行為、念頭に置くのかということでございますが、法律行為は口頭ですることもできます。そのため、自分の名前を書くことが難しい本人でも、そのことのみで特定補助人を付する旨の審判の必要性がないとまで判断されるものではなく、その必要性については、個別の事案に応じ、本人の通常の発話の状況、過去に重要な財産行為について口頭で不利益な取引をしたことがあるかなどの具体的な事情を考慮して判断されるものと考えております。

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