犯罪の成否は、収集された証拠に基づいて個別の事案ごとに判断されるべき事柄でありまして、一概にお答えすることは困難ではありますが、その上で、改正後の法第二条第四号の罪が成立するためには、同号に規定する行為と人の死傷結果との間に因果関係が認められることが必要でございます。
そして、一般に判例は、犯罪に係る因果関係の存否について、生じた結果が実行行為の危険が現実化したものと評価できるかどうかという枠組みにより判断していると考えられているところでございます。また、判例は、実行行為と結果との間に介在事情があった場合には、その介在事情が著しく不自然、不相当であったかどうかによって因果関係の存否を判断していると考えられるところでございます。
このような判例の考え方を前提といたしますと、数値基準を満たす高速度で自動車を運転して死傷事故が起きた場合、高速度での運転行為と結果との間に何らかの介在事情があったとしても、それが著しく不自然、不相当なものである場合でない限り実行行為の危険性が現実化したと評価でき、因果関係が認められ得ると考えられるところでございまして、具体的には、例えば介在事情が運転者自身による前方不注視等の注意義務違反であるような場合には、基本的に、著しく不自然、不相当な介在事情であるとは評価できず、因果関係が認められ得ると考えられる一方で、仮に的確な運転行為を行っていたとしても衝突の回避が不能な場合、例えば自車の直前に飛び出してきた歩行者と衝突したような場合などにつきましては因果関係が否定され得るのではないかというふうに考えられるところでございます。
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古庄玄知(自民)
それでは次に、改正法第二条四号、高速度類型についてお尋ねします。
この高速度類型についても数値基準導入したのは大きな前進だと思います。ただ、最高速度が六十キロ以下の道路の場合は五十キロオーバーした場合、それから最高速度六十キロ以上の道路は六十キロ以上オーバーした場合、この場合に危険運転致死傷罪が成立すると、こういう話なんですけれども、この基準も高過ぎるんじゃないかと、こういう意見が出ております。この辺、どういう根拠でこういう数字を基準として用いたのか。
それから、聞くところによると、制限速度の一・五倍とか二倍とか、そういう倍数でいくという見解もあった…
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10佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
改正後の法第二条第四号は、道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避する、すなわち適切な対処をすることが著しく困難となるという高速度運転の危険性を捉えるものでございます。
同号の数値基準は、その速度以上の速度で自動車を運転する行為であれば、道路や交通の状況を問わず一律にそうした高度の危険性、すなわち対処困難性が認められるとともに、悪質性も認められ、適切な対処をおよそ放棄していると言える速度を定めるものでございます。そうした数値基準を定めるに当たっては、道路交通の事情に照らすと最高速度に応じて定めることが合理的であると考えられ…
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古庄玄知(自民)
ちょっと次の質問飛ばします。
そうすると、数値基準を超えて高速度で走行していたところ、被害者に気付いて急ブレーキを踏んで、数値基準は下回ったものの、避け切れず被害者と衝突して死傷結果が発生したと。そういう場面にも本類型は適用されるんでしょうか。
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- (上の発言)
12佐佐藤淳法務省刑事局長
犯罪の成否は、収集された証拠に基づいて個別の事案ごとに判断されるべき事柄でありまして、一概にお答えすることは困難ではありますが、その上で、改正後の法第二条第四号の罪が成立するためには、同号に規定する行為と人の死傷結果との間に因果関係が認められることが必要でございます。
そして、一般に判例は、犯罪に係る因果関係の存否について、生じた結果が実行行為の危険が現実化したものと評価できるかどうかという枠組みにより判断していると考えられているところでございます。また、判例は、実行行為と結果との間に介在事情があった場合には、その介在事情が著しく不自然、不相当であったかどうかによって因果関係の存否を判断していると考えられるところでございます。
このような判例の考え方を前提といたしますと、数値基準を満たす高速度で自動車を運転して死傷事故が起きた場合、高速度での運転行為と結果との間に何らかの介在事情があったとしても、それが著しく不自然、不相当なものである場合でない限り実行行為の危険性が現実化したと評価でき、因果関係が認められ得ると考えられるところでございまして、具体的には、例えば介在事情が運転者自身による前方不注視等の注意義務違反であるような場合には、基本的に、著しく不自然、不相当な介在事情であるとは評価できず、因果関係が認められ得ると考えられる一方で、仮に的確な運転行為を行っていたとしても衝突の回避が不能な場合、例えば自車の直前に飛び出してきた歩行者と衝突したような場合などにつきましては因果関係が否定され得るのではないかというふうに考えられるところでございます。
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古庄玄知(自民)
この危険運転致死傷罪というのは故意犯だというふうに言われておりますけれども、この今の数値基準、例えば六十キロ以上をオーバーしているかどうかと、そういう犯罪類型に関して考えた場合に、その故意の対象というのは何になるのかという点についてお答えください。
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14佐佐藤淳法務省刑事局長
改正後の法二条第四号の数値基準を設けた場合、同号に係る危険運転致死傷罪の故意としては、犯行時に自車に適用される最高速度の認識及びそれに対応する数値基準を満たす速度で自車を運転していることの認識が必要であると考えられるところでございます。
もっとも、いずれの認識につきましても、概括的、未必的なもので足りると考えられるところでございます。
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古庄玄知(自民)
そうすると、例えば、この道路は制限速度百キロだと。自分は今百五十キロで走っているというふうに認識していたと。客観的には百七十キロで走っていたと、だけど自分は百五十キロだろうと思っていたと。その場合はこの条文は適用されるんですか、されないんですか。
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