高橋光男 (公明党)

2026年7月7日・第221回国会 参議院 農林水産委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 102 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 183 発言)

その中で、例えば、今ナラシ対策についても様々おっしゃられましたけど、加入者数推移等を御覧いただければ、減っているじゃないですか。今三万五千経営体、令和三年、五年前は六万経営体近くあった中であります。それで、何か加入が増えている、中小農家も入れる、それで大丈夫なんでしょうかということを私はただしているわけでありまして、収入保険も青色申告が必要だということが大きな壁となっているわけであります。

そこで、私は、こうした今インフレ局面の中において、やはり是非、米価が乱高下、この下落局面において、今の現行制度だけでは支え切れない様々な資材等の高騰、こうしたものを踏まえた上での新たな制度が必要だというふうに考えておりまして、そこを具体的にお示しをさせていただきたいと思います。

まず、もう少し背景から説明をさせていただきたいと思います。現場からは、令和三年から四年産期の米価下落で赤字が広がり、離農に拍車が掛かったという悲痛なお声が上がっています。実際そうだったことを資料三にお示しをさせていただいております。

この期間の水田作経営体の所得は僅か一万円であります。そして、水稲作付け経営体数は、直近五年間で約二五%、十七万五千件も激減をいたしました。その理由は明確であります。

資料四を御覧ください。米は面積が小さいほど生産費が高くなるからなんです。価格下落局面では、小規模農家や中山間地、そして棚田などの条件不利地から真っ先に経営が行き詰まります。市場任せでは地域の農地も供給力も維持できないというふうに思います。

この点、先日、参考人質疑におきまして、日本大学の西川参考人からは、今回の法改正で生産調整が緩む中で、主食用米へのセーフティーネットは当然考え得る、コストに着目した不足払いのような支援については明確な基準を示す必要があるが、政策的安定性の観点から何らかの基準による固定払いも考えられる旨陳述されました。私は、こうした御指摘を踏まえれば、再生産を守る安全弁、安全措置は十分設計可能だと思いますし、実行に移すべきと考えます。

そこで、参考にさせていただいたのが、資料五にある畜産のマルキン制度であります。こちらを御覧ください。個々の実費を丸ごと補填する仕組みではなく、標準的な生産費と販売価格の差額を基準にするために、過大コストを助長せず、財政規律を確保できるものであります。これを米に応用し、地域別、規模別などの標準的生産費、今であればコスト指標を精緻化して設計すればよいと考えます。

私が強調したいのは、新たな制度の包摂性です。一部の担い手だけに限定せず、農家に一定の積立てを求めながら、財政規律を保ちつつ、小規模農家や兼業農家も加入できる制度にしていくこと、資料にもお示ししているとおり、地域計画への位置付けや需要に応じた作付け、またコスト低減の取組など、現場に御負担をいただける最低限の要件とすれば、経営安定と生産性向上は両立し得るものと考えます。

この制度は新規で立ち上げることもできると思いますけれども、現行の例えばナラシ対策の仕組みをコスト高騰にも対応できる制度へと発展的に置き換えるのも一案だと考えます。その方が既存の予算枠や事務組織をベースにすることができるため、ゼロから新制度をつくるよりも現実的でスムーズな移行もできると思います。あわせて、既存の収入保険との両立も明確に整理できると思います。新制度を例えばマクロな市場リスクを下支えする一階部分とし、青色申告を要件とする収入保険を減収リスクをカバーする二階部分と位置付ければ共存ができると考えます。

そこで、大臣にお伺いしたいと思います。

以上に申し上げた小規模兼業農家も加入できる包摂的な水田作版の発動型経営安定制度について、是非具体的な検討に今から入っていただきたいというふうに考えます。対象者、算定方法、発動要件、既存制度との関係などについて速やかに論点整理を行っていただいて方向性を示していただきたい、示すべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

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