山添拓 (日本共産党)

2026年7月9日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 222 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 242 発言)

全然明確にはならないんですよ。そして、こんな条文を置いている刑罰法規はほかにないということが今答弁がありました。

刑罰法規には条文としてはないけれども、恐らく裁判例ではこういう言い方しているものがあるじゃないかと、それが立法者のこういう条文を盛り込んだ趣旨でもあろうと思うのですが、しかし、判例が同様の文言を使うのは、条文のそのままでは憲法違反の疑いがあるので合憲的に判断しようと、条文を言わば限定で解釈しようとするような場合です。こういう文言を初めから入れているのは、そもそもこの法案が極めて違憲性が高いということを発議者自身がお認めになっているからにほかなりません。

アメリカの連邦最高裁は、一九八九年、国旗冒涜罪による国旗の焼却が罪に問われたテキサス対ジョンソン事件で、社会が単にその思想自体を不快、不愉快だと感じるというだけで表現を禁止してはならないとして違憲判決を下しました。欧州人権裁判所は、二〇一八年、国王夫妻の写真を燃やした者を王室侮辱罪で処罰したスペイン政府を欧州人権条約違反とした判決の中で、表現の自由は、好意的に受け止められるものや無害又は無関心とみなされる情報や思想だけでなく、不快感を与え、衝撃を与え、動揺させたりする情報や思想にも適用される、これが多元主義、寛容、そして開かれた精神が要求するものであり、これらがなければ民主的な社会は存在しないと述べています。

一方、香港が中国に返還された一九九七年、中国政府は、中国の国旗法の規制を香港にも適用しました。中国国旗を公然と焼いたり落書きしたりして侮辱する行為を罰則で取り締まるもので、中国政府は、こうした行為を民族の感情を傷つけると批判しました。二〇一九年には大規模なデモで、それでも中国国旗を焼いたり海に捨てたり国章に黒ペンキを掛ける、そうした抗議が相次いで、中国政府は、翌二〇年、香港国家安全維持法で抗議活動それ自体を実質的に違法化してしまいました。

これは通告しておりませんが、各党の発議者に伺います。今私が紹介した各国の例を聞いて、率直に言ってどうお感じになりますか。

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