塩村あやか (立憲民主党)

2026年5月26日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 251 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 257 発言)

私は、ただいま可決をされました国家情報会議設置法案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会及び参政党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。

案文を朗読いたします。

国家情報会議設置法案に対する附帯決議(案)

政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。

一 国家情報会議及び国家情報局は、複雑で厳しい国際環境において、インテリジェンス施策の中核を担う司令塔としての機能を発揮することを通じ、国力の強化を真に実現すること。また、情報活動を推進するに当たっては、日本国憲法が保障する基本的人権を尊重すること。

二 情報部門である国家情報会議及び国家情報局が政策部門である国家安全保障会議及び国家安全保障局と対等な関係として新たに位置付けられることに鑑み、情報収集や分析は政策部門の的確な判断に資するために行われるものであることに一層留意するとともに、両部門の適切な連携と分離を確保すること。

三 本法に基づく調査審議の対象となる「重要情報活動」については、「重要国政運営」に「資する情報」の解釈が過度に広範なものとなることのないよう、国民の安全や国益の確保の観点から、政策部門における対応のために必要と認められる情報を取り扱うものとすること。

四 「重要情報活動」及び「外国情報活動への対処」に関する情報の収集及び提供並びにそれらの要請に当たっては、個人情報やプライバシーの保護に関し、個人情報保護法等の法令や各組織における関連規定の遵守はもとより、これらが無用に侵害されることのないよう、十分な配慮を行うこと。また、目的外利用となる個人情報の提供及びその要請については、同法を遵守するとともに、提供を受けた情報についても、同法の規定に反する利用目的以外の利用を厳に慎むこと。プライバシーの保護についても、法令の規定の有無にかかわらず、これと同様の取扱いに留意すること。

五 内閣総理大臣や内閣官房長官を始めとする政策部門は、情報部門に対し、その所掌事務とは無関係な情報収集依頼を行わないこと。また、国家情報局及び関係行政機関における「重要情報活動」及び「外国情報活動への対処」に当たっては、国家公務員法等の遵守はもとより、全体の奉仕者としての立場を逸脱するような政治的中立性を損なう情報収集は行わないこと。特に、特定党派の利益又は不利益を図るため、国内の政治家や選挙区に関する情報や、選挙及び選挙運動に関する情報の収集は行わないこと。

六 本法の施行後、政府の情報活動の中長期的な推進方策を文書としてまとめ、国会に報告するとともに、公表すること。その際、四及び五に反する情報の収集及び提供並びにそれらの要請を行わないための具体的方策についても検討の上、盛り込むこと。

七 国家情報会議及び国家情報局の活動内容について、六の文書とは別に、国民の懸念を払拭するため、関係法令、本法案に関する国会答弁及び本附帯決議の内容が遵守されているかどうかを含め、その求めに応じるなどして、国会に適時適切に説明すること。

八 事後に検証できるよう国家情報会議の議事の記録を作成し、配付文書とともに、公文書等の管理に係る制度に基づき、公文書として適正な期間保存すること。

九 国家情報局長は一定期間継続して在任することが好ましく、その人選に当たっては、その職責の重要性にかかわらず実質的に同一行政機関の出身者のいわば指定席となっているとの疑念を招くことのないよう、適材適所を旨とし、それまでの経験を踏まえつつ、人物本位・能力本位で行うこと。また、国家情報局の新規採用職員については必要な知識や技術を習得するために一定の研修期間等を確保することや、幹部職員を構成する他省庁等からの出向者についても相当期間在任させること等により、業務の継続性を確保し、インテリジェンス・サイクルが円滑に機能するよう配慮すること。

十 対外情報を収集するための行政機関の設置の法制度や、いわゆるスパイ活動を含む外国による我が国に対する不当な影響力の行使を防止するための法制度であって国民の権利利益を制約するものを仮に検討する場合には、適切に国会が監視できるようにすることを前提に検討すること。また、これらの法制度が実施された場合、国家情報会議及び国家情報局の集約し得る情報は質的量的に大きく変わることも考えられることから、それらによる国家情報会議及び国家情報局に対する情報提供の状況を国会の監視対象とすることも検討すること。

十一 十の法制度も含む、一層のインテリジェンスに係る態勢の整備を仮に検討する場合には、インテリジェンスに係る態勢の整備が国家の存立及び国民の安全の確保に関わる重要な課題であるとの認識の下に、我が国の健全な民主主義の根幹の維持を始め国益に寄与することを旨として行うこと。あわせて、政治的中立性及び国会による民主的統制が確保されるとともに、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならないことに留意すること。また、外国の利益を図る目的で行われる一定の活動を行う者に係る国への届出制度の創設を含む当該活動の把握及びこれを国民に周知するための措置、情報収集等に係る手法を拡充するための措置、インテリジェンスに従事する者等の安全及び適切な処遇の確保のための措置、インテリジェンスに関する専門的知識や技能を有する者の確保のための措置、インテリジェンスの実施状況及びその効果の検証のための措置等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

十二 国家情報会議及び国家情報局には機密性の高い情報がより多く集約されることが見込まれることに鑑み、施設・設備や構成員などについて万全の情報保全措置を講じること。

十三 情報部門の業務の専門性や複雑性などが増大していることに鑑み、国家情報局においては総合職職員の採用を検討するなど、プロパー職員の比率を高めていくこと。また、情報活動に従事する職員の給与等の在り方については、国家公務員全体の給与の在り方等との公平性に十分に留意し必要な検討を行うとともに、AIやサイバーセキュリティ等に関する民間出身の高度専門人材の確保に当たっては、特定任期付職員制度等の活用についても検討を行うこと。

十四 経済安全保障、サイバー攻撃、偽情報拡散による影響工作等の変化が著しい先端領域の横断的な課題が増大していることを踏まえ、情報活動に従事する職員の士気の向上を図りつつ、省庁横断的に必要な知識・技術等を習得するための研修や共同研究の実施、養成機関の早期の実現、情報コミュニティ省庁間での出向など実効性の高い人材育成を進めること。

右決議する。

以上でございます。

何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

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