白川容子 (日本共産党)

2026年6月10日・第221回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 15 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 21 発言)

日本共産党の白川容子です。

本調査会は、「情勢の変化に対応した未来志向の社会の構築」を大テーマとして、一年目は「社会・経済情勢の現状」について参考人質疑を行ってまいりました。

日本経済は物価高騰が続いていて、とりわけ、アメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃の下、原油の高騰やナフサ不足によるあらゆる資材不足が国民生活に深刻な影響を及ぼしています。

人口減少に関わって、参考人からは、未婚化や晩婚化、子育てに係る経済的負担の問題などがその要因として指摘をされました。子供を複数人持つことが夢のまた夢という社会をつくっているのは、子育てに係る経済的負担の重さに加えて、貧困と格差の拡大、労働規制緩和による非正規雇用の増大、ジェンダー平等の遅れなどの面からも見ておく必要があります。現下の物価高騰でも、低所得者を中心に深刻な影響を受けており、全ての世代で暮らしの展望を描けない現状があることを直視しなければならないと思います。

同時に、出生率に着目した議論は女性の性と生殖に関する権利が制約されがちになるという実態もしっかりと見ておく必要があります。結婚するのか、子供を産むのかは、あくまで個人の選択の自由であり、国が介入することではありません。人口政策で問われているのは、子供を産むのか産まないのか、何人産むのか、希望する間隔で産むことができるのかなど、性と生殖に関する権利を含めた基本的人権が保障される社会になっているかどうかだと思います。少子化対策というのであれば、当調査会の名にふさわしく、国民生活と経済を温めることこそ最優先に取り組むべき重要課題だと感じました。

山田参考人は、二人の子供を育てて、不動産を買って、大学に入れ高等教育を受けさせるには、五、六百万ぐらいの年収がないとと多くの方は思っていると述べられました。しかし、現代の日本の現状どうでしょうか。厚生労働省の調査では、二〇二五年、全労働者の三六・五%が非正規労働者ということです。非正規労働者は正規労働者に比して年収が低く、子供は欲しいが金銭的なことからくる将来の不安を解消しないと安易に産めないという現代の問題点が浮き彫りになりました。

吉川参考人は、短期的な労働コストをカットするという判断が行き過ぎて非正規化が進んでしまった、また、最低賃金について引き上げるべきと述べられました。大内参考人は、また違った角度で、困っている人にお金が行くような福祉的な政策で生活保障が必要と述べられましたが、共通しているのは、全ての国民が将来の不安なく暮らせるようにしなくてはならないということだと思います。

根本的な解決方法の一つに、税金の集め方と使い方があると痛感しています。税収に関して、諸富参考人は、いわゆる一億円の壁を是正することで税収も上がり、格差是正もできると述べ、さらに、法人税減税と優遇措置について、法人税を下げれば、企業が原資を厚くして投資をし、富を増やしてくれると思っていたが、話はそう単純ではなかった、一回見直すべきと指摘をされました。

小塩参考人は、年金はもう少し手厚く用意して、年金で高齢者の生活保障をすべきと意見をされ、格差解消と低所得者層の暮らしの底上げのための制度の見直しの重要性を感じました。

様々な分野の参考人から伺った御意見を通して、将来に向けて、失われた三十年から経済を立て直すための方策が急がれることが分かりました。これらを踏まえて、物価高騰から国民の暮らしと経済を守り、様々な問題の解決に向けて今後更に議論を深めたいと述べて、意見表明といたします。

ありがとうございました。

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