水島治郎千葉大学大学院社会科学研究院教授

2026年5月27日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 8 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 69 発言)

御質問ありがとうございます。

今御指摘いただきましたとおり、実はオランダにおきましては、この二月に、中道改革といいますか、改革中道的な政党が選挙で第一党となった結果として政権を発足させております。

それに関しましてですけれども、これ皆様にお配りした資料の中にも、実は改革中道の話はこちらに載っておりまして、ちょっとこの話は一種の応用編というところがあるので、先ほどのお話ではしなかったんですけれども、実は、先ほど皆様にお示ししましたように、旧来の中道右派、中道左派、そして急進右派、急進左派の二掛ける二の四つどもえ状況が近年生じてきているんですが、ただ、更に新しい動きとして、旧来の政治では飽き足らないけれども、しかし、急進的な右派ないし急進的な左派にも、何といいますか、親しみを覚えないという、言わば有権者の中間部分が改革中道に活路を見出すということが出てきております。元々、マクロン大統領もある意味ではその流れではありました。

特にオランダでは、近年、昨年までの政権がいわゆる急進右派を含んでおり、かなり移民政策、難民政策を厳しくやっていたんですが、そのあつれきも強かったために様々な混乱も生じていた。それに対する一種の嫌気といいますか、反動的なものもあり、穏健な改革中道に支持が集まったということがございました。

ですので、新しい勢力が出てきて、でも、そこはやはりいろいろ急進的でやり過ぎる、それに対する反発が、じゃ、今度は旧来の政党に行くかというと意外とそうでもなくて、むしろ旧来の政治からの脱却を言いながら、かつ右や左には余り偏らないという、いわゆる改革中道ですね、ここにオランダでは支持が集まって第一党となり、首相を出したということであります。

ですので、私、こちらの日本経済新聞の「経済教室」の記事においては、本年の一月の上旬に、改革中道は政治の鍵になるんじゃないかという記事を書かせていただきまして、そのときは余り日本のことはそんなに考えていなくて、ヨーロッパで最近こういった動きもあるから、ヨーロッパが分極化して激しい分断が起きているというだけでは捉えられないということを申し上げたんですが、結果的にはこちらの記事が出た翌週に中道改革連合という政党が結成されて、何か関係あるんじゃないかみたいな問合せもいろいろいただきましたが、一切関係はございません。ありがとうございます。

それから、二番目の脱炭素化でございます。

こちらも、大枠としての脱炭素化の方針は、少なくともEUに正面から聞けば変わっていませんって絶対言うと思います。絶対言っています。実際、今回の若干の修正も割合を若干減らすぐらいの話なので、それほどインパクトがあるのかどうかに関しては、専門家の中でも意見は分かれているようであります。

ただ、全体の雰囲気として、私から見た場合、今後更に、EV車をめぐる様々な国際情勢、トランプ政権の情勢、中国EV車の進出など、更に進んだ場合には、EUが更にまた軌道修正していく可能性はあると思います。そこは一種、機を見るに敏なところもあります。何といいますか、旗は掲げるんだけれども、やることは少しずつ修正する、でも、旗を下ろしたとは絶対言わないのがEUという感じがいたします。

ですので、日本においても、これ、もうむしろ皆さんも御存じのとおり、EVに全振りの自動車メーカーというのはやっぱりちょっと厳しいものがある。むしろそこは、EUがあれだけ旗を掲げているけれども修正もあり得るということを見た上で、やはりある程度こちらの、何といいますか、手駒を用意していく方式の方がよろしいかと思いますし、最近の自動車メーカーの動向の中でも、そちらの方がうまくいっているということはよく御存じかと思いますので、様々な可能性を残していく、もし向こうの方針が変わったらこちらが全部潰れてしまうようなことは避けた方がいい、これが日本として構えるべき姿勢ではないかと思っております。

ありがとうございます。

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