地方分権一括法により、国が地方に命令する機関委任事務は廃止され、自治事務と法定受託事務に整理されました。しかし、地方自治体が自らの判断と責任で行うものである自治事務においても、国が依然として詳細なガイドラインや関与を維持しているものがあり、地方の自由度が期待したほど高まっておらず、対等、協力といいつつも、国の通知によって実質的に地方が縛られる構造が残っています。
例えば自治事務にあっても、国が技術的助言や通知という形で基準を示すことがあります。これらは、本来は法的な強制力はないはずですが、実務上は国に従わなければ不利益を被るという暗黙のプレッシャーとなり、地方自治体が独自の判断を下せなくなっています。また、自治事務の遂行において国庫支出金が活用される場合、その交付要綱が細かく規定されていることが多々あり、実質的には国が定めたやり方に従うことが求められるため、自治事務とは名ばかりの面もあります。
このようなことで何が問題かといいますと、この曖昧さが、地方自治体が自ら課題を解決する能力を失わせることになり、自治体職員が、地域のためにはどうすべきかよりも、国はどう言っているのかを優先するようになりかねない点です。何かの施策で失敗した場合、地方自治体側は国の通知に従ったと言い、国は判断したのは地方ということになり、責任の押しつけ合いが発生することになり、結局その迷惑を被るのは住民でございます。これでは、地方自治の目的の一つである住民の幸福の最大化を目指すものとはほど遠いと言わざるを得ません。
地方分権は確かに進んでいると思いますが、こうした制度と運用の乖離を解消しない限り、真の地域主権、地方自治にはならないという指摘が研究者からなされています。この点について、政府のお考えをお聞かせください。
39稲稲原浩内閣府地方分権改革推進室長
お答え申し上げます。
近年の人口減少や人材の不足など、社会経済情勢が大きく変化する中において、持続可能な地方行財政の確保は喫緊の課題となってございます。
これまでも、自治体からの提案に基づいて、国からの調査に係る重複の解消や補助金手続の簡素化、デジタル化など、自治体の事務負担軽減を進めてきたところでございます。
令和八年の提案募集におきましては、事務の廃止や事務処理の広域化、外部化を進める事務処理方法の見直しでありますとか、行政手続のオンライン化などのデジタル化、こういったものを重点募集テーマとしておりまして、行政サービスの提供の在り方も含めた自治…
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大森江里子(中道)
ありがとうございます。
権限の移譲によって、それまで国が担っていた高度で専門的な判断を地方が自ら行う必要がありますが、現場の体制が整っていないのではないかという懸念があります。行政改革による人員削減が進む中で、自治体職員の業務量が増大し、現場の疲弊を招いている現状があります。特に小規模な市町村では、法務、都市計画、環境規制といった専門性の高い業務をこなせる職員が絶対的に不足をしています。
この点について国はどのように認識し、地方自治体に対してどのような支援を行っていくおつもりなのか、お伺いいたします。
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41加加藤主税総務省自治行政局公務員部長
お答え申し上げます。
複雑化、多様化する行政課題に的確に対応しつつ、効率的で質の高い行政の実現を図る上で、自治体を支える人材の確保は大変重要でございます。一方、人口減少や民間との競合などにより、特に専門人材を中心に必要な人材を確保できない自治体があるなど、非常に厳しい状況にあると認識しております。
総務省としては、一昨年、令和五年度に自治体が人材育成、確保を戦略的に進めるための指針を策定し、その中で、専門人材の確保に向けて、都道府県による専門人材の確保の支援、複数の市町村による共同採用方式の活用などの検討事項をお示ししました。
これらを踏まえまして…
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- (上の発言)
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大森江里子(中道)
地方分権一括法により、国が地方に命令する機関委任事務は廃止され、自治事務と法定受託事務に整理されました。しかし、地方自治体が自らの判断と責任で行うものである自治事務においても、国が依然として詳細なガイドラインや関与を維持しているものがあり、地方の自由度が期待したほど高まっておらず、対等、協力といいつつも、国の通知によって実質的に地方が縛られる構造が残っています。
例えば自治事務にあっても、国が技術的助言や通知という形で基準を示すことがあります。これらは、本来は法的な強制力はないはずですが、実務上は国に従わなければ不利益を被るという暗黙のプレッシャーとなり、地方自治体が独自の判断を下せなくなっています。また、自治事務の遂行において国庫支出金が活用される場合、その交付要綱が細かく規定されていることが多々あり、実質的には国が定めたやり方に従うことが求められるため、自治事務とは名ばかりの面もあります。
このようなことで何が問題かといいますと、この曖昧さが、地方自治体が自ら課題を解決する能力を失わせることになり、自治体職員が、地域のためにはどうすべきかよりも、国はどう言っているのかを優先するようになりかねない点です。何かの施策で失敗した場合、地方自治体側は国の通知に従ったと言い、国は判断したのは地方ということになり、責任の押しつけ合いが発生することになり、結局その迷惑を被るのは住民でございます。これでは、地方自治の目的の一つである住民の幸福の最大化を目指すものとはほど遠いと言わざるを得ません。
地方分権は確かに進んでいると思いますが、こうした制度と運用の乖離を解消しない限り、真の地域主権、地方自治にはならないという指摘が研究者からなされています。この点について、政府のお考えをお聞かせください。
43稲稲原浩内閣府地方分権改革推進室長
お答え申し上げます。
地方自治法におきまして、自治事務につきましては、各大臣は、その担任する事務に関し、自治体の事務の運営その他の事項について適切と認める技術的な助言等をすることができるとされてございます。また、同法では、自治事務について、国は、地方公共団体が地域の特性に応じて当該事務を処理することができるよう特に配慮しなければならないとされてございます。
こうしたことを踏まえまして、平成二十年に地方分権改革推進委員会から出された第二次勧告などにおきましては、地方自治体の自主性、自立性を強化し、自由度を拡大するとともに、自らの責任において行政を実施す…
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大森江里子(中道)
これまでの地方分権改革は個別の提案に一つ一つ対応してきましたが、複数の提案に共通する課題や類似する分野の課題も生じているのではないかと思われます。今後は、地方からの提案を待つだけでなく、内閣府が主体的に類似分野をピックアップし、分野横断的かつ一括して制度を見直す面的な見直しの仕組みを取り入れる必要があるのではないかと考えますが、内閣府の見解をお伺いいたします。
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45稲稲原浩内閣府地方分権改革推進室長
お答え申し上げます。
提案募集方式は、地方の発意の取組として、地方の声に寄り添って提案の実現を図ることが地方分権改革の推進に最もつながるという考えで進めてございます。その一方で、御指摘にあったように、類似する制度について分野横断的に検討することが適当な場合も生じてきていることは、委員御指摘のとおり、提案募集方式の課題と認識してございます。こうした課題を踏まえ、類似する制度について横断的に検討すべく、提案募集に当たり、重点募集テーマを設定し、自治体に呼びかけているところでございます。
これまでの取組におきましては、例えば重点募集テーマでありますデジタル…
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