木下敏之 (参政党)

2026年6月2日・第221回国会 衆議院 農林水産委員会 第12号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 105 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 117 発言)

参政党の木下でございます。

食糧法の改正法案について、反対の立場から討論をいたします。

参政党は、百万トンしかない政府備蓄米を拡充し、小麦、大豆も含めて三か月分を確保することを公約としております。ところが、本法案は、食料安全保障における国家の責任を弱め、政府備蓄に代えて民間備蓄に依存する方向へ道を開く改正内容となっていると思います。

安全保障は、平時に余裕があるときにはその必要性が見えにくいものでございます。しかし、本当に必要となるのは危機のときです。今回、その価値を大いに発揮しているのが原油の国家備蓄であり、これがその典型ではないかと思います。原油の国家備蓄は、一九七八年から始まり、一千万キロリットルの備蓄でスタートし、二〇二六年一月末では、民間備蓄も合わせて約七千三百万キロリットル、国内消費の八か月分に当たる石油が備蓄されております。もしこの備蓄が米と同じように一、二か月だったとしたら、今、日本経済は大混乱に陥ったと思います。この備蓄があってよかったと感謝している人はほとんどおりませんが、国家として最悪の事態に備えることは、国家の責任ではないかと思っております。

一方、米の備蓄は全く逆の動きをしておりまして、戦後最悪の不作である一九九三年の冷害に耐えられるように、備蓄は二百万トン前後でスタートいたしましたが、現在、百万トンに引き下げられております。もしまた一九九三年の大不作や、さらには、同時に南海トラフ巨大地震が発生すれば、これでは全く足りないのは明らかではないかと思います。

今回の法改正で必要なのは、危機に耐え得る国家備蓄体制の強化だと考えます。政府備蓄を減らすのではなく、むしろ積み増しを行い、また全国への分散配置を進めること、不足が見込まれる場合には迅速に市場へ放出できる国家備蓄の仕組みを構築すべきだと考えます。

また、十年に一度程度の冷害などへの対応においても、本法案のように、民間備蓄制度を導入し、価格上昇局面で在庫放出をお願いする仕組みは、本当に機能するのでしょうか。企業は、利益を追求する主体でございます。価格上昇時に、自らの利益を減らすことになる在庫を放出することを企業が協力するという制度は、構造的な限界があり、実際には機能しないのではないかと考えております。

以上の理由により、本法案に反対することを表明し、私の討論といたします。

ありがとうございました。

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