原一郎一般社団法人日本経済団体連合会常務理事

2026年5月14日・第221回国会 衆議院 内閣委員会 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 2 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 95 発言)

それでは、早速説明に入らせていただきます。

まず、今般の経済安全保障推進法の一部を改正する法律などにつきましては、全体として賛成であると申し上げます。

まず、重要な物資の安定的な供給の確保につきましては、いずれの改正も、既存の制度を補完、補強するためのものであり、必要な改正であると考えております。

第一は、役務を支援対象に加える改正についてであります。

国民生活や経済活動にとって重要な物資が確保されたとしても、その供給に不可欠な役務が確保されなければ、当該物資を使用できる状態にすることはかないません。改正は、その点を補おうとするものであり、役務を支援の対象に加えることは合理的であると考えます。

ただし、物資と役務とで所管官庁が異なる場合におきましては、政府の取組方針は一つというふうに理解しておりますが、企業が供給確保計画の認定を得るに当たりまして、主務大臣及び相談窓口が異なることでいたずらに時間と手間を要することがないよう、関係省庁間で十分に連携をしていただきたいと考えております。

第二は、安定供給確保に向けた努力義務、協力要請についてであります。

現行法では、政府の方針に沿った民間事業者による供給確保のための取組を支援するのが基本となっておりまして、民間による取組では重要な物資の安定的な供給が確保できない場合におきまして、第四十四条、四十五条の規定に基づきまして、政府自らが措置する、いわゆるGOCOという手法が定められております。GOCOでは、サプライチェーンに国が介入することになりますことから、基本指針におきましては、政府による過度な介入を行わないよう留意するとした上で、GOCOを発動する際の要件を記載しております。

今般の改正は、GOCOを発動する前段階、すなわち安定供給確保に支障が生ずるおそれがある場合に協力を要請するなどの措置を規定するものと理解しておりまして、GOCOの抑制的な運用という趣旨に沿ったものであると考えられます。加えまして、国や供給事業者のみならず、供給を受ける事業者など、広く関係者が相互に連携協力する努力義務を定めていることは、経済活動の自由と供給の確保との間のバランスを考慮したものであると考えております。

次に、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保についてであります。

この制度は、我が国の基幹インフラを構成する設備が国の外部からの妨害行為の手段として使用されることを防止するためのものであり、国の外部からのサイバー攻撃が頻度を増し高度化する中にありまして、その実効性について不断の点検が必要と考えます。

その点、医療DXが進展する中にありまして、今般、制度の対象事業に医療分野を追加することは妥当と考えます。

改正法案が成立した暁には、省令において、事前届出の対象となる特定重要設備を定めることになりますが、それに当たりまして、基本指針に記載されているとおり、事業の実態等を十分に踏まえたものとなるよう、当該設備のベンダーの意見に十分に耳を傾けていただきたいと存じます。

基幹インフラ制度は重要な制度である一方、対象となる基幹インフラ事業者及びベンダーにとりましては負担の大きい制度でございまして、その運用についても不断の改善努力が不可欠であります。今回の制度運用改善のための改正は、いずれも二〇二四年五月に制度運用が開始されて以降指摘されてきた課題に対応するものと承知しておりまして、適切であると考えます。

なお、法改正が必要な事項以外にも、有識者会議の提言では、例えば、企業による届出のシステム化などを求めておりまして、そうした改善も併せて行われることを期待しております。

次に、先端的な重要技術の開発支援につきましては特段意見を持ち合わせておりませんので、次の重要な海外事業の促進に移りたいと存じます。

今般、新たに設けられます重要な海外事業の促進につきましては、我が国の経済安全保障の確保に資する民間の海外事業を支援するものであります。グローバルサウスとの連携強化の一環として、経団連として政府に提言してきた制度が創設されるという理解をしておりまして、賛成であります。食料、資源、エネルギーの確保を含めました経済安全保障を、同志国やグローバルサウスと連携することによって、我が国単独ではなく、他国と一緒に、線あるいは面で確保することが可能になるものと考えます。

具体的には、JBICからの劣後出資等を受けることで民間資金の動員につなげていくものと理解しておりますが、具体的な認定の基準などにつきましては、策定される基本指針の内容を注視してまいりたいと存じます。

総合的な経済安全保障シンクタンクの創設につきましては、そもそも二〇二二年の本法制定時から、経済安全保障の観点から重要な技術を選定するために必要なものとして考えられてきたと思います。今般、総合的なシンクタンクを創設するに当たりましては、技術に限らず、外交、情報、防衛、経済面で国力の向上につながる、文字どおり総合的な機能を有する組織が早期に立ち上がることを期待しております。

例えば、経団連では、安全保障の観点から規制を導入するなど国が経済活動に関与する場合でありましても、スモールヤード・ハイフェンスを旨とし、その対象を真に必要なものに限定する必要があると主張してきておりますが、シンクタンクによる総合的な調査研究、政策提言がそのような方向で機能することが重要であると存じます。

なお、シンクタンクの運営体制を始めとする詳細は、法案成立後、基本指針で定められることになりますが、限られた人材や予算が最大限活用されるような体制となることを期待しております。また、シンクタンクを通じまして、官民双方のリテラシーが高まるよう、企業との人材交流を進めていただきたいと思います。

官民協議会の創設につきましては、経済安全保障の確保に不可欠な官民連携を法的に担保するものでございまして、賛成でございます。

なお、協議会に参加する民間人に対しまして国家公務員と同等の守秘義務を課すことは、機微な情報を共有するために必要な措置と考えております。

ただし、民間事業者が協議会に参加するに当たりましては、そうした守秘義務や資料提供等の協力要請に応じる義務が課されますことをよく理解した上で参加の是非を判断できるよう、基本方針などにその旨記載していただきたいと考えております。

私からの発言は以上でございます。(拍手)

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