新しい外交を切り開きたいという総理の思いは分かります。だけれども、前任者たちに対する敬意というものもしっかり持ちながらやっていただきたいというふうに思います。
さて、二番目の存立危機事態について、少し時間をかけて議論したいというふうに思っています。
実は、十年前にこの法律ができたときに、私は野党の代表でした。そのときの私の思いを申し上げますと、従来の個別的自衛権では対応できない事例があるということは認識していました。
例えば、もう既に米軍が戦っているときに、米軍と自衛隊が共同で対処している、それで、米艦が攻撃されたときに、自衛隊は、日本自身は武力攻撃を受けていないという段階で、それを放置するというわけにはいきませんから、これをどういうふうに説明すべきか。一つは、個別的自衛権の解釈を拡張するという考え方。もう一つは、集団的自衛権を制限して認めるという考え方。両様あり得るなというふうに思っておりました。自民党の中には、全面的な集団的自衛権を認めるべきだという議論もかなりあったと思うんです。
そういう中で、安倍さんが出してきたのが、この存立危機事態という考え方でした。我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態ということであります。
我々は、この概念がかなり曖昧であると。例えば、我が国の存立が脅かされる、これはどういう意味だろうか。それから、国民の基本的権利が根底から覆される明白な危険、これも非常に抽象的な概念ですね。だから、武力攻撃事態みたいに我が国が攻撃されたというものと比べるとかなり抽象的な概念ですから、これで果たして限定になっているんだろうかと。
多くの法制局長官経験者とか著名な憲法学者が、違憲ではないかというふうに疑義を呈されました。そういう中で、私たちもこの法案には反対をしたということであります。
ただ、あれから十年たって、いろいろな事実が積み重なっていることも事実。白紙でゼロから議論し直すことはできないということも分かっています。そういう中でどういう対応をすべきかということは、これから党の中でしっかり議論していきたい。この法文で本当に憲法違反にならないのかどうか、そして運用はどうなのか、そういうことは議論していきたい。これが今の私たちの基本的スタンスであります。
そこで、総理にまず確認したいのは、この存立危機事態、いわゆる限定した集団的自衛権の行使ですね、これ以外の集団的自衛権の行使、つまり、限定のない集団的自衛権の行使は違憲である、これは従来の政府の考え方だったと思いますが、そういう考え方は維持されていますか。
172
高市早苗(自民)内閣総理大臣
先ほど申し上げたような取組というのは、岸田政権においても石破政権においても続いてきたものでございます。ただ、私たちの周辺環境が大きく大きく変わっております。特に、中国、北朝鮮、ロシアの軍事的な動向、これは深刻な懸念となっております。
そういう国際情勢の中で、やはりFOIPを日本の外交の柱として受け継ぐということを再確認して、さらに、時代に合わせて変化させていく、FOIPの中に例えば経済安全保障とかこういった理念もしっかり入れながら発展させていく、こういう考え方というのは必要だと思っております。そして、同盟国であるアメリカはもちろんですが、基本的価値を有…
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岡田克也(立憲)
総理はこの取り戻すという表現が大好きで、例えばこの後の十一月一日のAPEC首脳会議後の記者会見でも、全体で質疑も含めて二十分と短い記者会見だったんですが、二回、日本外交を取り戻すという表現を使われているんですね。
でも、先ほど言いましたように、私は、外交は継続の部分が非常に多いと思うんですよ。今回、首脳会談で総理が成果として言われている日韓のシャトル外交、これは別に今回決まったわけではなくて、前任者たちが築き上げてきたものであります。日中首脳会談における戦略的互恵関係、これもそうですね。
だから、そういう先人たちの積み重ねの上に外交というのはあるもの…
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高市早苗(自民)内閣総理大臣
よく承りました。
でも、FOIPも含めて、ずっと前任の首相も受け継いできたものでございます。そしてまた、特に岸田元総理のときに、その前に外務大臣もとても長く務められましたので、日韓関係も随分改善をしていただきました。そういう基盤の上に立って今私も外交のスタートを切ったということはよく分かっております。
ただ、FOIPに関しては、少し今の周辺状況の変化を踏まえて発展させていきたい、この思いは非常に強いです。経済安全保障また新興技術をめぐる国際競争など新たな課題も生じていますので、そういう意味では、もっと日本の存在感も強め、そして、多くの国を巻き込みなが…
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- (上の発言)
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岡田克也(立憲)
新しい外交を切り開きたいという総理の思いは分かります。だけれども、前任者たちに対する敬意というものもしっかり持ちながらやっていただきたいというふうに思います。
さて、二番目の存立危機事態について、少し時間をかけて議論したいというふうに思っています。
実は、十年前にこの法律ができたときに、私は野党の代表でした。そのときの私の思いを申し上げますと、従来の個別的自衛権では対応できない事例があるということは認識していました。
例えば、もう既に米軍が戦っているときに、米軍と自衛隊が共同で対処している、それで、米艦が攻撃されたときに、自衛隊は、日本自身は武力攻撃を受けていないという段階で、それを放置するというわけにはいきませんから、これをどういうふうに説明すべきか。一つは、個別的自衛権の解釈を拡張するという考え方。もう一つは、集団的自衛権を制限して認めるという考え方。両様あり得るなというふうに思っておりました。自民党の中には、全面的な集団的自衛権を認めるべきだという議論もかなりあったと思うんです。
そういう中で、安倍さんが出してきたのが、この存立危機事態という考え方でした。我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態ということであります。
我々は、この概念がかなり曖昧であると。例えば、我が国の存立が脅かされる、これはどういう意味だろうか。それから、国民の基本的権利が根底から覆される明白な危険、これも非常に抽象的な概念ですね。だから、武力攻撃事態みたいに我が国が攻撃されたというものと比べるとかなり抽象的な概念ですから、これで果たして限定になっているんだろうかと。
多くの法制局長官経験者とか著名な憲法学者が、違憲ではないかというふうに疑義を呈されました。そういう中で、私たちもこの法案には反対をしたということであります。
ただ、あれから十年たって、いろいろな事実が積み重なっていることも事実。白紙でゼロから議論し直すことはできないということも分かっています。そういう中でどういう対応をすべきかということは、これから党の中でしっかり議論していきたい。この法文で本当に憲法違反にならないのかどうか、そして運用はどうなのか、そういうことは議論していきたい。これが今の私たちの基本的スタンスであります。
そこで、総理にまず確認したいのは、この存立危機事態、いわゆる限定した集団的自衛権の行使ですね、これ以外の集団的自衛権の行使、つまり、限定のない集団的自衛権の行使は違憲である、これは従来の政府の考え方だったと思いますが、そういう考え方は維持されていますか。
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高市早苗(自民)内閣総理大臣
憲法上、我が国による武力の行使が許容されるのは、いわゆる三要件を満たす場合の自衛の措置としての武力の行使に限られます。そして、この三要件は国際的に見ても他に例のない極めて厳しい基準でありまして、その時々の内閣が恣意的に解釈できるようなものではないと思っております。
先ほど来、存立危機事態における武力の行使についてお話がございましたが、これも、限定された集団的自衛権の行使、すなわち、あくまでも我が国を防衛するためのやむを得ない必要最小限度の自衛の措置としての武力の行使に限られていて、集団的自衛権の行使一般を認めるものではなく、他国を防衛すること自体を目的…
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岡田克也(立憲)
要するに、憲法違反になってしまうということですね、認められないということは。この存立危機事態を踏み外したようなことがあると、これは法律違反だけではなくて憲法違反になるわけです。
ということは、この存立危機事態の運用というのは、やはり厳格に、限定的に考えなきゃいけない、それを踏み外したときには単に法令違反ではなくて憲法違反になる、そういう認識でよろしいですね。
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高市早苗(自民)内閣総理大臣
その政府見解を踏襲いたしております。
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