近藤絢子東京大学社会科学研究所教授

2025年2月5日・第217回国会 参議院 国民生活・経済及び地方に関する調査会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 39 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 105 発言)

おっしゃる御意見、非常に私も思うところがあって、何か、何というか、今すごく手取りを増やそうという訴えがいろんなところで聞かれると思うんですけれども、その手取りを増やそうということの含意というのは、要するに、国に払うお金を減らそうというニュアンスがあって、それはすなわち再分配を縮めようということを含んでいるんだけれども、手取りを増やそうという言い方をすると、取られるお金が減るだけだという印象ばっかりで、もらえるお金が減るという方に余り回っていかないんですよね。なので、何かその動きって非常に怖いなとちょっと個人的に思っていて。

払える人に払ってもらうという話なんですけれども、その方向性は非常に私も、本来はそっちに進めていくべきなのに非常にそうなっていないというのは、私もそうちょっと思うところあるんですけれども、恐らく、政治の場でできることというのは、ちょっと取り方のパッケージングを工夫するということもあって、一番良くないやり方が、一定の所得の人まではみんなもらえるのに、あるところを超えるといきなりゼロになるというタイプの所得制限ですね。あれをやると、非常に富裕層、富裕層まで行かないですね、中間層の上ぐらいの人たちというのが、その境目ら辺の人たちというのは非常に不公平感が増してきて、もう国は金取っていかないでくれみたいな感じになってくるわけですよね。

だから、そういうやり方じゃなくて、何か累進課税みたいな形とか、あと、今無償になっちゃいましたけど、かつて東京の保育料とかってすごく細かく刻まれていたんですね。そういう、何か細かく刻んで滑らかに、だんだんだんだん所得が高い人がたくさん払うというような形になっているスキームというのを大きなところで幾つか用意しておいて、ほかの給付みたいなものは特に制限付けないでみんなもらえるという形にすると、何というか、不公平感みたいなのは減るんじゃないかなと思うんですね。

だから、そういったようなやり方をうまく工夫するというのが、一応、政治の側にできるやり方かなと思います。

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