私は、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会、日本共産党及び沖縄の風の各派共同提案による第九回アフリカ開発会議(TICAD9)に向けた我が国の開発協力の在り方に関する決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
第九回アフリカ開発会議(TICAD9)に向けた我が国の開発協力の在り方に関する決議(案)
本年八月、第九回アフリカ開発会議(TICAD9)が開催される予定である。分断と対立の様相を深める国際社会において、TICADは、日本とアフリカが対話を通じてお互いへの信頼を高め、共に成長するパートナーとしての関係をより強固にし時代の変化に即して進化させていく基盤となっている。
以上を踏まえ、政府においては、開発協力に関し、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一、パートナーとして選ばれる日本であるために
今日の開発協力においては、支援する側とされる側との旧来の構図ではなく、我が国自身も共有する社会課題の解決に向け、協働することが重要になっている。また、多極化や分断、紛争に直面する国際社会において存在感を高めるアフリカから「パートナーとして選ばれる日本」であるためには、支援内容の検討に当たり、対話を通じて現地のニーズを適切にくみ取り、様々な主体と連帯しながら相手に提案していくことが重要であり、各国それぞれの事情を踏まえつつ、多様な手法を柔軟に検討していくべきである。
二、アフリカの実態を踏まえた実効性の高い協力の推進
アフリカを全体として見れば、今世紀に入り大きな経済成長を見せているものの、今なお貧困や飢餓、格差の拡大、開発を阻害する紛争や暴力など多くの開発課題を残しており、SDGsの達成に向けても一層の開発協力が求められている。その際、開発の成果を広く国全体に行き渡らせることができるように、経済におけるインフォーマルセクターの大きさや小農・家族農業を中心とした農業など、アフリカの実態を踏まえつつ、これまでアフリカの開発を妨げてきた要因に関する詳細な分析に基づき、実効性の高い取組を進めていくべきである。
三、ニーズを踏まえた公的資金と民間資金との連携
気候変動、感染症等の地球規模課題に直面する中、SDGs達成のために必要となる膨大な資金ニーズを踏まえ、公的資金を適切に確保するとともに、社会課題を解決する意図を持つ投資家等を通じた民間資金が果たす役割も重要になっていることから、相手国のニーズに即した支援となるかを十分に検討した上で、公的資金と民間資金を効果的に組み合わせるように一層努力するべきである。
四、共創の原動力となる人づくりの推進
人づくりは国づくりの基盤であるとの考えの下、TICADプロセスにおいてもアフリカの若者の産業人材育成を行う「ABEイニシアティブ」を始め、産業、保健・医療、農業、司法、行政等の分野で能力強化に取り組み、そうした方々の活躍を通してアフリカの課題解決に貢献してきた。このような人材は、国際社会への貢献や、我が国とアフリカとの橋渡しの役割を担うことが期待され、共創の原動力ともなることから、教育機会の拡大や、教育研究機関の連携による若者の育成も含め、人づくりに係る取組を今後も重点的に進めるべきである。
五、JICA海外協力隊を始め支援の担い手に対するサポートの充実
本年、発足六十周年を迎えるJICA海外協力隊及びNGO団体等は、「顔が見える支援」の担い手として人と人とを信頼でつなぐとともに、国内では広く開発協力を身近に感じさせる存在として重要な役割を果たしてきた。また、途上国の厳しい環境で培われた経験を国内へ環流し、社会問題の解決に貢献することも期待されている。少子化や海外での活動機会の多様化が進む中においても、継続的に支援活動に参加する人材を確保していくため、帰国後のキャリア形成支援や現地での起業支援を含め、長期的な視点から一層充実したサポートを行うべきである。
六、国民に支持される開発協力
これまでの開発協力を通じて培ってきた国際社会からの信頼は、今日の我が国の外交力の源泉である。そして、開発協力には、幅広い国民の理解と支持が必須であり、これらに支えられてこそ十全にその力を発揮する。また、税金を始めとする公的資金を原資とする開発協力が、民間資金との連携を含め今後も国民から理解され、後押しを得るためには、相手国のニーズに基づいた協力目的を明らかにした上での効果的な案件形成と、我が国の貢献を無駄にしないためのモニタリングの徹底が必要不可欠である。さらに、開発協力が、相手国国民の豊かさに貢献するとともに、国際社会の一員として生きる我が国国民への信頼につながり、繁栄の実現に貢献してきたことを一人一人が再認識できるよう、引き続き取組を進めるべきである。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
2
石井浩郎(自民)
理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言のページ
3
石井浩郎(自民)
御異議ないと認めます。
それでは、理事に下野六太君を指名いたします。
─────────────
この発言のページ
4
石井浩郎(自民)
政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査を議題といたします。
羽田君から発言を求められておりますので、これを許します。羽田次郎君。
この発言のページ
- (上の発言)
5羽羽田次郎(立憲)
私は、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会、日本共産党及び沖縄の風の各派共同提案による第九回アフリカ開発会議(TICAD9)に向けた我が国の開発協力の在り方に関する決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
第九回アフリカ開発会議(TICAD9)に向けた我が国の開発協力の在り方に関する決議(案)
本年八月、第九回アフリカ開発会議(TICAD9)が開催される予定である。分断と対立の様相を深める国際社会において、TICADは、日本とアフリカが対話を通じてお互いへの信頼を高め、共に成長するパートナーとしての関係をより強固にし時代の変化に即して進化させていく基盤となっている。
以上を踏まえ、政府においては、開発協力に関し、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一、パートナーとして選ばれる日本であるために
今日の開発協力においては、支援する側とされる側との旧来の構図ではなく、我が国自身も共有する社会課題の解決に向け、協働することが重要になっている。また、多極化や分断、紛争に直面する国際社会において存在感を高めるアフリカから「パートナーとして選ばれる日本」であるためには、支援内容の検討に当たり、対話を通じて現地のニーズを適切にくみ取り、様々な主体と連帯しながら相手に提案していくことが重要であり、各国それぞれの事情を踏まえつつ、多様な手法を柔軟に検討していくべきである。
二、アフリカの実態を踏まえた実効性の高い協力の推進
アフリカを全体として見れば、今世紀に入り大きな経済成長を見せているものの、今なお貧困や飢餓、格差の拡大、開発を阻害する紛争や暴力など多くの開発課題を残しており、SDGsの達成に向けても一層の開発協力が求められている。その際、開発の成果を広く国全体に行き渡らせることができるように、経済におけるインフォーマルセクターの大きさや小農・家族農業を中心とした農業など、アフリカの実態を踏まえつつ、これまでアフリカの開発を妨げてきた要因に関する詳細な分析に基づき、実効性の高い取組を進めていくべきである。
三、ニーズを踏まえた公的資金と民間資金との連携
気候変動、感染症等の地球規模課題に直面する中、SDGs達成のために必要となる膨大な資金ニーズを踏まえ、公的資金を適切に確保するとともに、社会課題を解決する意図を持つ投資家等を通じた民間資金が果たす役割も重要になっていることから、相手国のニーズに即した支援となるかを十分に検討した上で、公的資金と民間資金を効果的に組み合わせるように一層努力するべきである。
四、共創の原動力となる人づくりの推進
人づくりは国づくりの基盤であるとの考えの下、TICADプロセスにおいてもアフリカの若者の産業人材育成を行う「ABEイニシアティブ」を始め、産業、保健・医療、農業、司法、行政等の分野で能力強化に取り組み、そうした方々の活躍を通してアフリカの課題解決に貢献してきた。このような人材は、国際社会への貢献や、我が国とアフリカとの橋渡しの役割を担うことが期待され、共創の原動力ともなることから、教育機会の拡大や、教育研究機関の連携による若者の育成も含め、人づくりに係る取組を今後も重点的に進めるべきである。
五、JICA海外協力隊を始め支援の担い手に対するサポートの充実
本年、発足六十周年を迎えるJICA海外協力隊及びNGO団体等は、「顔が見える支援」の担い手として人と人とを信頼でつなぐとともに、国内では広く開発協力を身近に感じさせる存在として重要な役割を果たしてきた。また、途上国の厳しい環境で培われた経験を国内へ環流し、社会問題の解決に貢献することも期待されている。少子化や海外での活動機会の多様化が進む中においても、継続的に支援活動に参加する人材を確保していくため、帰国後のキャリア形成支援や現地での起業支援を含め、長期的な視点から一層充実したサポートを行うべきである。
六、国民に支持される開発協力
これまでの開発協力を通じて培ってきた国際社会からの信頼は、今日の我が国の外交力の源泉である。そして、開発協力には、幅広い国民の理解と支持が必須であり、これらに支えられてこそ十全にその力を発揮する。また、税金を始めとする公的資金を原資とする開発協力が、民間資金との連携を含め今後も国民から理解され、後押しを得るためには、相手国のニーズに基づいた協力目的を明らかにした上での効果的な案件形成と、我が国の貢献を無駄にしないためのモニタリングの徹底が必要不可欠である。さらに、開発協力が、相手国国民の豊かさに貢献するとともに、国際社会の一員として生きる我が国国民への信頼につながり、繁栄の実現に貢献してきたことを一人一人が再認識できるよう、引き続き取組を進めるべきである。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
6
石井浩郎(自民)
ただいまの羽田君提出の決議案の採決を行います。
本決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
この発言のページ
7
石井浩郎(自民)
多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、岩屋外務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岩屋外務大臣。
この発言のページ
8
岩屋毅(自民)外務大臣
外務省といたしましては、第九回アフリカ開発会議、TICAD9に向けた我が国の開発協力の在り方に関するただいまの決議の御趣旨及び本委員会での御議論も踏まえ、開発協力大綱の下、戦略的かつ効果的、効率的な開発協力を推進するとともに、国際社会及び我が国の平和と安定及び繁栄の確保により一層積極的に貢献してまいる所存でございます。
この発言のページ