田中明彦独立行政法人国際協力機構理事長

2025年4月18日・第217回国会 参議院 政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 68 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 97 発言)

今先生おっしゃったように、極度の貧困率とか、それから五歳未満児死亡率とか、このようないわゆるSDGsの中でも一丁目一番地ともいうような目標というのは、大変重要であるにもかかわらず、なかなかこれを達成するのが困難だと。そういう困難を抱えているのが脆弱な開発途上国であるというのが現実だと思います。

その中で、私どもは何ができるのかということを一生懸命考えながらやっているわけですけれども、私の考えでは、単一の方法で全てがうまくいくというような、そういう容易な道というのはないと思うんですね。様々なことを組み合わせていかなきゃいけない。

その一つとして、先ほど御視察いただいたCFPT、職業訓練センターのようなところで人材の底上げを図るということであって、これをJICAは四十年ずっとやっておるわけです。

それに加えて、保健医療、これも大変重要です。もう本当に様々な分野をやらなければいけないわけですけれども、その中で、一つの試みとして、私は日本が世界に誇っていいと思うのは、母子手帳を開発途上国にできる限り普及しようという努力でございます。

御案内のとおり、日本の母子手帳というのは一九四七年か八年につくられたわけですけれども、お子さんのその健康状態、お母さんの健康状態を包括的に記録するという世界的に見ても大変優れた仕組みです。

これを、二十一世紀に入った辺りにインドネシアのお医者さんが日本に研修に来られたときに、ああ、日本にはこんないいのがあるのかというので、インドネシアでも導入してくださいという依頼があって、それでインドネシアで、まずJICAがインドネシア政府と協力して母子手帳を普及するというふうにいたしました。今、アフリカ諸国でもできる限りやっており、セネガルでも母子手帳を皆さんに普及できるようにしております。

その際、私どもがとてもうれしいなと思っておるのは、母子手帳を私どもが現地に合わせて、日本の母子手帳をそのまま翻訳するわけではなく、現地に合わせた形でデザインをし直して、それを作って印刷して配るというのを、先方政府も印刷していただくのが望ましいわけですけれども、それをユニセフに、言わば、ユニセフも、ああ、これはいいねというふうに言ってくださると。

ほかの、世界のほかの国際機関もこれはいいねと言っていただけるということで、かなりの多くの国で、母子手帳の普及については、日本の資金だけでなく世界中の様々な各国からの資金でもって行えている。日本から税金を元に出しているんですけど、その税金がマルティプライして先方に影響を与えているというとても良い事例が母子手帳だと思っておりますし、最近、私、アンゴラでも同じような母子手帳の普及をやりましたが、これについては、国際機関とか援助機関だけでなく、アフリカに進出している日本企業もその印刷代をコントリビュート、出していただけるというようなことがあって、大変地道ですけれども進めたいと思います。

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