東野篤子筑波大学教授

2025年3月13日・第217回国会 参議院 予算委員会公聴会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 213 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 231 発言)

山添先生、大変貴重な質問をどうもありがとうございます。

おっしゃるとおり、プーチン大統領は、クルスクからのウクライナ軍の撤退を要求するのと加えて、より大事なこととして、恐らくここはプーチン大統領としては変わっていないのではないかと思いますけど、今の段階では変わっていないのではないかと思いますが、東部、南部四州からウクライナ軍が軍を引く、これが交渉開始の条件であるということなんですね。なので、停戦の条件ではなくて開始の条件ですから、なかなかにウクライナとしては受け入れ難い。そういった条件というのを明示的には緩めていないということですね。

なので、ここにおいて停戦交渉が本当に始まり得るのかとか、先日の海、山、ごめんなさい、海と空とそれから地上とエネルギーインフラのその停戦ということに果たしてたどり着く状況になるのかということ、ここがまず一番に危ぶまれるわけであります。

国際社会にとって公正な平和をどのように実現していくのがよいのかという御質問ですけれども、まずはこの公正な平和とは何かということを考える、そこを十分に意識するということです。公正な平和という言葉自体が余り強調されず、ともすれば、ウクライナが妥協して例えばロシアによる占領を受け入れれば戦争が終わるのだからウクライナはそうすべきであるというような、そういった議論がありますけれども、仮にその軍事的な意味合いにおいてウクライナが全ての領土を奪還することが現状では難しいとしても、それはロシアによる不法な占領であるということを常に強調しておく必要がある。そして、それはウクライナが外交による奪還を始めたならば、それを全力で支援をするということにほかならないのではないかというふうに思います。

やはり先ほどの冒頭でもお話をさせていただいたように、やはりその占領を受け入れるとか、それから領土の割譲を受け入れるとかということが、やはり回り回って自分たちのよって立っている秩序を脅かす、平和な社会を脅かすということに関してやはり我々が敏感で居続けることが、この問題に対する公正さ、どの程度公正な平和を達成することができるのかということの解にも近づいてくると思います。

また、直近の問題として、ウクライナがずっと恐れていたこととして、ロシアによる再侵略は何度も行われてきたということをやはり肝に銘じる必要があるために、余り停戦のそのハードルを下げ過ぎない方がいいということも重要なのではないかというふうに思います。

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