紙智子 (日本共産党)

2025年5月20日・第217回国会 参議院 農林水産委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 150 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 159 発言)

森林経営管理法一部改正案に対する反対討論を行います。

本法は、二〇一七年に規制改革推進会議と未来投資会議の提言を受けて、低迷する木材価格の議論がないまま、安価な木材の確保を求める大手の木材産業やメーカーの要望に応えて提出されました。今世紀に入り、世界各地で環境保全や自国の産業を育成するために丸太を禁輸する国が広がり、輸入木材に依存していた木材産業は、建材やバイオマス用木材等を国産材に求めていました。本法はこの意向に沿うものになりました。

しかし、その手法は森林所有者を置き去りにして進みました。なぜなら、林野庁の調査で七一%の森林所有者が現状維持を望んでいたにもかかわらず、拡大意欲が低いことだけを殊更問題にし、森林所有者に適時に伐採、造林及び保育する責務を負わせ、その責務が果たせないなら市町村が介入し、木材を供給する仕組みにしたからです。

森林所有者が市町村の集積計画に反対しても、市町村が計画に同意すべしと勧告を出して森林所有者が従わない場合は都道府県が介入すれば集積できるというもので、森林所有者の財産権や経営の自由を奪うものでもありました。林業の担い手は、森林を育て保全する森林所有者ではなく、伐採、搬出を行う素材生産者を初めて森林経営の担い手に位置付け、選別するものでもありました。しかも、職員不足に苦しむ職員の手当てを保障するものでもありませんでした。これでは、林野庁の調査でも明らかなように、林業経営体への再委託がうまく進むはずはありません。

改定、改正案は、多くの問題を抱えた法律の再検証をするのではなく、地域経営管理集約化構想や経営管理支援法人制度をつくり、林業経営体への集積、集約化の迅速化とするものです。しかも、林業経営体が集約化構想を提案し、支援法人になることができることから、木を切りたい林業経営体に有利なシステムづくりになる危険性はますます強まることとなります。

災害が多発し、森林の持つ多面的機能の発揮が求められているのに、地方議会の関与や地域住民の理解を得るものとはなっていません。本法案は、森林経営管理法が持つ問題の本質を変えるものではないので、反対です。

また、森林法の改正は、林地開発許可制度において規制を強化するもので、必要です。

以上を述べて、討論とします。

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