大江美佐里久留米大学保健管理センター・久留米大学医学部神経精神医学講座准教授

2025年5月29日・第217回国会 参議院 厚生労働委員会 第16号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 30 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 267 発言)

御質問ありがとうございます。

まず、他国と日本とのハラスメントの状況についてどうかというところでございますけれども、ちょっと私の知る限りにおきまして、パワーハラスメントという言葉は日本の言葉でございまして、和製の言葉でございまして、海外では、モビング、バリイング、モラルハラスメント、様々な用語で捉えられておりまして、訳によっては職場いじめといったような表現もあったりするところもございます。

〔委員長退席、理事三浦靖君着席〕

そうしますと、若干定義が異なっておりまして、直接の比較という報告を論文などで探したりするのはちょっと難しい状況にありますが、セクシュアルハラスメントに関しましては、二〇一八年の調査によりまして、二十七か国比較したものでは、日本では女性に関して一八%、男性に関して二二%ということで、例えばアメリカの、女性に対して三五%、男性について三〇%といったものよりは低いという結果になってございまして、欧米より若干低い、パーセントとしてですね、報告は低いかもしれませんけれども、このことがすなわちセクハラが日本で少ないというところを示しているとは限らず、社会規範としてセクハラを容認するような風土があるかどうかというところで、もしかすると、セクハラに対する認識、職場での認識が低いために報告数が少なくなっている可能性があるかと思います。

欧米では、LGBTQI+を含めて、例えば性自認の多様性に対する認識も強くて、個を尊重するという傾向がありますので、そういう傾向があるということで、問題が生じたときにハラスメントというふうに認識しやすいというようなことがもしかしたらあるのかもしれません。

対応に関しましては、私が二〇〇九年から二〇一一年にスイスに留学していたときに感じたところからの見解に、私的な見解になりますけれども、例えば労働条件に関しまして、平日の週五日を一〇〇%というふうに考えたときに、半日が二〇%ということになりますけれども、週の中でどのぐらい時間働くかということが人によって細かく違っておりました。

スイスでは、例えば、上司が六〇%勤務、部下の方は一〇〇%勤務といったような、ちょっと勤務の仕方が違っているような場合に、相手の勤務の時間帯を、しっかり労働時間を守る、御自身の労働時間もきちっと守られる傾向ありましたけれども、相手の労働時間や、相手の労働の役割といったものと相手の人物そのものといった、それを分ける、そして職階と労働時間も違っているということで、個々人を尊重するという労働環境がつくられていると。これが対応の違いにもつながっているのかもしれないというふうに感じておりました。

以上です。

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