岩渕友 (日本共産党)

2025年6月5日・第217回国会 参議院 経済産業委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 264 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 273 発言)

私は、日本共産党を代表して、いわゆる早期事業再生法案に反対の討論を行います。

反対理由の第一は、労働者保護が制度上担保されず、新たなリストラ促進法となるものだからです。

事業再生計画には人員削減や労働条件切下げが含まれ得るにもかかわらず、審議において各会派から相次いだ懸念に対して運用面で手当てすると答弁するのみです。

海外の類似制度では労働者保護が担保されている一方、本法案及び衆議院での修正条文では制度上の担保は全くされていません。労働者に大きな影響が出る法案と分かっていながら、前提となる経産省小委員会に労働団体などを一人も入れず、海外の類似制度を意図的に隠した資料を作成するなど、経産省の姿勢は労働者を無視していると言わざるを得ません。このような状況にもかかわらず、見直し規定には年限もない恒久法です。労働者をないがしろにすることは断じて容認できません。

反対理由の第二は、悪質な投資ファンドによる悪用を排除する担保がないからです。

企業価値を株価最優先とし、短期的利益を求め、支配下に置いた企業の資産を売却する、さらに、労働組合解体やリストラ等を露骨に行う事案が頻発しているにもかかわらず、日本は欧州に比べて極めて脆弱なファンド規制しかなく、労働者保護は放置されたままです。こうした下で、労働者、地域を踏みにじる企業買収、企業壊しは許せません。

反対理由の第三は、前段となる内閣官房分科会では、中小企業、地方の企業が物すごい勢いで交代しなければならない、退出、廃業するか、買収、集約されないと進まない、低生産性企業の買収は私的整理をかませないと起こらない、多数決による私的整理はとにかく早く成立させてほしいなどという驚くべき中小企業淘汰論が堂々と議論されました。新陳代謝機能の強化が法案の提出背景としてうたわれており、許容できません。

経産省は、一九九九年の日産のカルロス・ゴーン氏による大リストラ計画を産業活力再生法で認定し、支援しました。その後も大企業のリストラ、人減らしを支援することで株主資本主義、株価資本主義を推し進め、多国籍企業の競争力強化を図る一方、国民の暮らしや雇用を破壊してきたことに何の反省もありません。現在も日産で二万人の大リストラが計画される中、本法案はこれまでより簡易な手続で迅速にリストラを実行できるものであり、看過できません。

以上述べて、反対討論とします。

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