検討行われていない。
百ミリシーベルト以下の被曝ならがん発症が増えることはないという評価は、そもそも原発労働者の健康調査から導き出された基準ではないんですよね。八十年前の広島、長崎への原爆投下で被爆した人々に対する調査を参考にした基準です。
この原爆被爆者に対する健康調査、それ自体について、そして、八十年も前の原爆被爆者の調査を全く異なる条件下で被曝する原発労働者などに当てはめることについて多くの専門家から問題点が指摘されてきたことは、皆さん御存じのとおりです。
資料七。例えば、深川市立病院の松崎医師は、全国保険医新聞の論考で次のように指摘されています。
原爆被爆データは、二つの理由で放射線被曝の健康リスクを相当小さく見積もっている。
一つ目、一九四五年の原爆投下から五年たった時点で生き残っておられた被爆者を対象として追跡が始められたこと。つまり、放射線被曝に強い集団を選び出した調査となった。原爆被爆者は、五年後以降に、百ミリシーベルト超えの被爆した人々にがんが増えたというが、そもそも調査開始が被爆から五年後で、それ以前に発症した人、亡くなった人は考慮されていない。被曝によるがんの潜伏期間が五年ということではない。
松崎医師の指摘、二つ目。このような調査は、被曝のある集団と被曝ゼロの集団を比べるのが常識だが、被曝ゼロ集団の被曝がゼロではなかったこと。これは、爆心から二・五キロ以遠の被爆者を対照集団と設定したのが原因。この集団は外部被爆だけでも数ミリシーベルトの被爆があった。
百ミリシーベルトを超える被爆した被爆者に相対的にがんが増えたというとき、全く被爆していない人と比べてということではない。適正な調査とは言えず、これを参考に、いまだに五年後、百ミリシーベルトという基準をかたくなに見直さないのは、厚労省、これ厚労行政の怠慢なんじゃないですか。
これまでも、国内外の様々な機関による調査で百ミリシーベルト以下の被曝でもがんなどの疾病が統計的に有意に増えているということが示されている。しかし、厚労省はかたくなにこれらの知見を取り入れず、被曝労災認定基準の見直しをしてこなかった。
資料八。最近、国際的な研究調査で、百ミリシーベルト以下でもがんが増加することを示したものとしては、国際核施設労働者調査、INWORKSが注目されている。INWORKSは、アメリカ、イギリス、フランスの三十万人以上の原発労働者などを調査対象集団としているため、高精度の疫学データ解析が可能と評価されている。
資料九、十。近年では、二〇二三年調査で、主に固形がんの死亡率に関する調査結果を発表。調査対象は福島第一原発のような事故原発ではなく、主に通常の原発で作業に従事する労働者など。対象者の平均蓄積被曝線量も、フランス、十七・八ミリシーベルト、イギリス、二十二・七五ミリシーベルト、米国、二十・一ミリシーベルトと、日本の労災基準、百ミリシーベルトよりもずっと低い。それでも、これら原発労働者の中に被曝影響での固形がん発症が有意に増えているというのが調査結果。
資料十一、十二。二〇二三年INWORKS報告論文によれば、低線量域に限定した解析結果で、百ミリグレイ未満でも、さらに五十ミリグレイ未満の低線量域に限って解析しても、固形がん死について統計的に有意なリスク増加が認められている。
厚労副大臣、このINWORKS、イギリスでは政府機関、国防省が協力し、アメリカでもエネルギー省傘下の機関や研究所が協力、フランスではIRSN、放射線防護原子力安全研究所など政府系の公的な専門機関が行った大規模な疫学調査の結果ですけれども、五十ミリシーベルト未満の低線量域でも固形がんの死亡が統計的に有意に増えていることを示しています。
八十年前の原爆被爆者の偏ったデータに基づく十年以上も前の基準を直ちに見直すべきではないかと思いますが、副大臣、いかがお考えですか。
166田田中仁志厚生労働省大臣官房審議官
お答えいたします。
御指摘の労災補償の考え方を初めて示しました文書は、平成二十四年九月二十八日に公表いたしました胃がん・食道がん・直腸がんと放射線被ばくに関する医学的知見の公表と題する資料の中でお示しをしております当面の労災補償の考え方でございます。
この発言のページ
167
山本太郎(れいわ)
まあつい最近ですよね、これって。ありがとうございます。
厚労省、この基準の設定後に様々な被曝労働者の健康調査が国内外で行われてきましたけれども、その知見を取り入れて、被曝線量レベル、被曝開始からの経過年数の基準に見直しは行われましたか。
この発言のページ
168田田中仁志厚生労働省大臣官房審議官
お答えいたします。
御指摘の労災補償の考え方を示した後も、最新の医学的知見を収集し、専門家による検討会において定期的に確認は行っておりますけれども、現時点においては、被曝線量及び潜伏期間、いわゆる被曝開始から五年以上経過というところでございますけれども、ここについては変更を行っていないという状況でございます。
この発言のページ
- (上の発言)
169
山本太郎(れいわ)
検討行われていない。
百ミリシーベルト以下の被曝ならがん発症が増えることはないという評価は、そもそも原発労働者の健康調査から導き出された基準ではないんですよね。八十年前の広島、長崎への原爆投下で被爆した人々に対する調査を参考にした基準です。
この原爆被爆者に対する健康調査、それ自体について、そして、八十年も前の原爆被爆者の調査を全く異なる条件下で被曝する原発労働者などに当てはめることについて多くの専門家から問題点が指摘されてきたことは、皆さん御存じのとおりです。
資料七。例えば、深川市立病院の松崎医師は、全国保険医新聞の論考で次のように指摘されています。
原爆被爆データは、二つの理由で放射線被曝の健康リスクを相当小さく見積もっている。
一つ目、一九四五年の原爆投下から五年たった時点で生き残っておられた被爆者を対象として追跡が始められたこと。つまり、放射線被曝に強い集団を選び出した調査となった。原爆被爆者は、五年後以降に、百ミリシーベルト超えの被爆した人々にがんが増えたというが、そもそも調査開始が被爆から五年後で、それ以前に発症した人、亡くなった人は考慮されていない。被曝によるがんの潜伏期間が五年ということではない。
松崎医師の指摘、二つ目。このような調査は、被曝のある集団と被曝ゼロの集団を比べるのが常識だが、被曝ゼロ集団の被曝がゼロではなかったこと。これは、爆心から二・五キロ以遠の被爆者を対照集団と設定したのが原因。この集団は外部被爆だけでも数ミリシーベルトの被爆があった。
百ミリシーベルトを超える被爆した被爆者に相対的にがんが増えたというとき、全く被爆していない人と比べてということではない。適正な調査とは言えず、これを参考に、いまだに五年後、百ミリシーベルトという基準をかたくなに見直さないのは、厚労省、これ厚労行政の怠慢なんじゃないですか。
これまでも、国内外の様々な機関による調査で百ミリシーベルト以下の被曝でもがんなどの疾病が統計的に有意に増えているということが示されている。しかし、厚労省はかたくなにこれらの知見を取り入れず、被曝労災認定基準の見直しをしてこなかった。
資料八。最近、国際的な研究調査で、百ミリシーベルト以下でもがんが増加することを示したものとしては、国際核施設労働者調査、INWORKSが注目されている。INWORKSは、アメリカ、イギリス、フランスの三十万人以上の原発労働者などを調査対象集団としているため、高精度の疫学データ解析が可能と評価されている。
資料九、十。近年では、二〇二三年調査で、主に固形がんの死亡率に関する調査結果を発表。調査対象は福島第一原発のような事故原発ではなく、主に通常の原発で作業に従事する労働者など。対象者の平均蓄積被曝線量も、フランス、十七・八ミリシーベルト、イギリス、二十二・七五ミリシーベルト、米国、二十・一ミリシーベルトと、日本の労災基準、百ミリシーベルトよりもずっと低い。それでも、これら原発労働者の中に被曝影響での固形がん発症が有意に増えているというのが調査結果。
資料十一、十二。二〇二三年INWORKS報告論文によれば、低線量域に限定した解析結果で、百ミリグレイ未満でも、さらに五十ミリグレイ未満の低線量域に限って解析しても、固形がん死について統計的に有意なリスク増加が認められている。
厚労副大臣、このINWORKS、イギリスでは政府機関、国防省が協力し、アメリカでもエネルギー省傘下の機関や研究所が協力、フランスではIRSN、放射線防護原子力安全研究所など政府系の公的な専門機関が行った大規模な疫学調査の結果ですけれども、五十ミリシーベルト未満の低線量域でも固形がんの死亡が統計的に有意に増えていることを示しています。
八十年前の原爆被爆者の偏ったデータに基づく十年以上も前の基準を直ちに見直すべきではないかと思いますが、副大臣、いかがお考えですか。
170
鰐淵洋子(公明)厚生労働副大臣
冒頭、山本委員からも御指摘がございました。今回の調査で、身体汚染や、また過剰被曝に不安を感じる方が増えているという御指摘もございました。そういった、二〇二三年の十月に発生したこういった事故もそうですし、今御紹介いただいたことも含めて様々な点で不安を感じていらっしゃる方がいるということも承知をしております。そういった中で、定期的に最新の医学的知見を収集して専門家による検討会等も行っておりますけれども、いずれにしましても、今後も必要に応じて検討もしっかりとさせていただきたいと思います。
繰り返しになりますが、現場で活躍していただいている、活動していただいて…
この発言のページ
171
山本太郎(れいわ)
世界では最新の知見というものがどんどん出されている中で、厚生労働省は最新の医学的知見を収集し定期的に検討を行っていると言っているんだけれども、設定以降、変更ないじゃないですか。これ、至急行ってもらわなきゃ困るんですよ。みんな、リスク背負って緩い基準のままやらされているということになってきますからね。
規制委員長、いかがお考えになりますか。聞きたいのはこの一言です。八十年前の原爆被爆者のデータに基づく十年以上も前の基準を、これ見直すということは必要だというふうに私は思うんですけれども、必要あると思うか、ないと思うか、一言で結構です。
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172山山中伸介原子力規制委員会委員長
私ども規制委員会でも、新知見については十分検討し、規制に反映すべきところは反映してまいりたいというふうに考えております。
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