去る二月十七日及び十八日の二日間、宮城県の環境及び公害問題に関する実情を調査し、もって今期国会への提出を予定されている鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案等の審査に資するため、青山委員長、小野田理事、梶原理事、串田理事、山下理事、高橋委員及び私、川田の七名で調査を行ってまいりました。
以下、調査の概要について御報告いたします。
一日目は、まず、宮城県庁を訪れ、地域共生型再生可能エネルギー事業に関する取組状況及びクマ類対策に関する取組状況について説明を聴取するとともに、意見交換を行いました。宮城県では、再生可能エネルギーの最大限の導入と環境保全の両立のための新たな取組として、「再生可能エネルギー地域共生促進税」を令和六年四月に施行しております。これは、再生可能エネルギー発電事業に対する地域における災害、景観、環境等への懸念を踏まえ、大規模な森林開発を伴う発電設備に対し課税するものですが、地球温暖化対策推進法等に基づく認定事業計画により使用される場合やこれらに「準ずる事業」として市町村長が認め、知事が認定した計画により使用される場合などには非課税とすることにより、地域との共生を図ろうとするものとの説明がありました。また、ツキノワグマによる被害状況と対策については、県内において人身被害のリスクが上昇しているため、宮城県ツキノワグマ管理計画に基づき、生息数調査や有害捕獲、電気柵の設置を行っているほか、SNSを通じた出没情報の発信、市街地に出没した場合を想定した訓練などの取組を行っているとのことでした。一方、市街地に出没した場合の対応として猟銃使用制限の緩和などが必須ではあるものの、鳥獣保護管理法の改正により、銃猟実施の判断や通行制限、避難指示を市町村が行うことになると、対応基準の明確化や必要な財源の確保など、丁寧な対応が必要となるとの説明がありました。派遣委員からは、新たな税制を制定した経緯、非課税となる「準ずる事業」の認定手続において地元に協議会を設置する意義、クマの処分に対するクレームへの対応状況、捕獲等を担う人材の育成状況、銃猟による人身被害への懸念の有無等について質疑がありました。
次に、合同会社東北野生動物保護管理センターを訪問し、市街地における鳥獣捕獲等の取組に関する説明を聴取し、施設を視察いたしました。本センターは、宮城県の認定鳥獣捕獲等事業者であり、麻酔銃やわななどによる捕獲業務のほか、野生動物の生息状況調査などを行っております。麻酔銃に関する社内体制や麻酔銃による捕獲の難しい点に加え、ツキノワグマなどが市街地に出没した場合の一連の業務について実例ごとに説明がありました。加えて、麻酔銃やはこわな、ドラム缶を独自に改造したわななどを視察することができました。派遣委員からは、実例の一つで市街地の銃猟に対して警察官の命令が出なかった理由、猟銃と麻酔銃との射程距離や威力などの違い、市街地での銃猟が可能となった場合の本センターへの影響等について質疑がありました。その後、令和四年九月にツキノワグマが出没し、捕獲された現場がある陸前落合駅近くの市街地を視察いたしました。
次に、協和運輸倉庫株式会社を訪問し、災害時に電動フォークリフトのバッテリーから地域住民に対して無料で給電を行うなどの取組に関する説明を聴取し、実際に給電の状況を視察いたしました。本取組は、災害時の給電拠点を平時から情報提供するアプリ、「電源ドナー」を利用するもので、東日本大震災の際に多方面から様々な援助を受けた物流企業として、災害時に地元住民を支えるという互助の取組であるとの説明がありました。派遣委員からは、同業者との連携の有無や今後の取組方針、使用済バッテリーを社会福祉法人において二次利用する「デコでんち」事業に関してバッテリーのリユース・リサイクルの取組状況等について質疑がありました。
二日目は、まず、道の駅上品の郷からユーラス石巻ウインドファームを視察しましたが、行きの車中にて、環境省から環境アセスメント制度の概要及び取組状況を、また、株式会社ユーラスエナジーホールディングスからは、事業の概要のほか環境アセスメントの実施状況について、それぞれ聴取いたしました。この中で、環境省からは環境アセスメント手続における環境大臣の意見では陸上風力発電に関するものが多く、特にバードストライクなど鳥類に関する指摘が多いとのことのほか、今期国会に提出予定の環境影響評価法改正法案の内容について説明がありました。また、ユーラス石巻ウインドファームに関しては、環境アセスメント実施の結果、風車の台数・配置を見直したほか、ハイキングロードの迂回路の設置、鳥類の保全措置等を行ったとの説明がありました。派遣委員からは、環境影響評価法改正法案について、環境アセスメントに係る環境大臣意見の内容が事業の主務大臣の段階で後退している事例を踏まえた検討の有無、風車の台数を八基から六基に変更した理由、バードストライクの発生状況、風車を撤去する際に要する期間と費用等について質疑がありました。
最後に、株式会社青南商事を訪問いたしましたが、行きの車中にて、環境省から令和五年度環境省予算により実施した太陽光発電設備のリユース・リサイクルに係る実証事業のほか、太陽光発電設備のリサイクル等への取組状況について説明を聴取いたしました。青南商事仙台工場においては、使用済太陽光パネルをリサイクルするに当たり、ガラス部分を破砕せずに、板状の状態でアルミフレームやセルシートなどの部材と完全に分離できるホットナイフ方式という高度処理について説明を聴取し、工場内の設備を視察いたしました。派遣委員からは、リサイクルガラスの有価買取先が少ない理由、太陽光パネルに含有される有害物質情報を明示する必要性、リサイクル処理と埋立処理のコストの違い等について質疑がありました。
以上が調査の概要であります。
最後に、今回の派遣に際し、お世話になった関係者の方々に厚く御礼を申し上げまして、報告を終わります。
11山山中伸介原子力規制委員会委員長
原子力規制委員会委員長の山中伸介でございます。
参議院環境委員会における御審議に先立ち、原子力規制委員会の業務について御説明申し上げます。
まず、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。
東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえて強化した規制基準への適合性審査については、これまでに申請がなされた二十七基の発電用原子炉のうち十七基に対しては設置変更許可処分を、日本原子力発電敦賀発電所二号炉に対しては、規制基準に適合しているとは認められないことから、設置変更許可をしないこととする処分を行いました。また、申請がなされた二十…
この発言のページ
12
青山繁晴(自民)
以上で所信及び予算等の説明の聴取は終わりました。
本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
政府側は御退席いただいて結構です。
─────────────
この発言のページ
13
青山繁晴(自民)
次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。川田龍平君。
この発言のページ
- (上の発言)
14
川田龍平(立憲)
去る二月十七日及び十八日の二日間、宮城県の環境及び公害問題に関する実情を調査し、もって今期国会への提出を予定されている鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案等の審査に資するため、青山委員長、小野田理事、梶原理事、串田理事、山下理事、高橋委員及び私、川田の七名で調査を行ってまいりました。
以下、調査の概要について御報告いたします。
一日目は、まず、宮城県庁を訪れ、地域共生型再生可能エネルギー事業に関する取組状況及びクマ類対策に関する取組状況について説明を聴取するとともに、意見交換を行いました。宮城県では、再生可能エネルギーの最大限の導入と環境保全の両立のための新たな取組として、「再生可能エネルギー地域共生促進税」を令和六年四月に施行しております。これは、再生可能エネルギー発電事業に対する地域における災害、景観、環境等への懸念を踏まえ、大規模な森林開発を伴う発電設備に対し課税するものですが、地球温暖化対策推進法等に基づく認定事業計画により使用される場合やこれらに「準ずる事業」として市町村長が認め、知事が認定した計画により使用される場合などには非課税とすることにより、地域との共生を図ろうとするものとの説明がありました。また、ツキノワグマによる被害状況と対策については、県内において人身被害のリスクが上昇しているため、宮城県ツキノワグマ管理計画に基づき、生息数調査や有害捕獲、電気柵の設置を行っているほか、SNSを通じた出没情報の発信、市街地に出没した場合を想定した訓練などの取組を行っているとのことでした。一方、市街地に出没した場合の対応として猟銃使用制限の緩和などが必須ではあるものの、鳥獣保護管理法の改正により、銃猟実施の判断や通行制限、避難指示を市町村が行うことになると、対応基準の明確化や必要な財源の確保など、丁寧な対応が必要となるとの説明がありました。派遣委員からは、新たな税制を制定した経緯、非課税となる「準ずる事業」の認定手続において地元に協議会を設置する意義、クマの処分に対するクレームへの対応状況、捕獲等を担う人材の育成状況、銃猟による人身被害への懸念の有無等について質疑がありました。
次に、合同会社東北野生動物保護管理センターを訪問し、市街地における鳥獣捕獲等の取組に関する説明を聴取し、施設を視察いたしました。本センターは、宮城県の認定鳥獣捕獲等事業者であり、麻酔銃やわななどによる捕獲業務のほか、野生動物の生息状況調査などを行っております。麻酔銃に関する社内体制や麻酔銃による捕獲の難しい点に加え、ツキノワグマなどが市街地に出没した場合の一連の業務について実例ごとに説明がありました。加えて、麻酔銃やはこわな、ドラム缶を独自に改造したわななどを視察することができました。派遣委員からは、実例の一つで市街地の銃猟に対して警察官の命令が出なかった理由、猟銃と麻酔銃との射程距離や威力などの違い、市街地での銃猟が可能となった場合の本センターへの影響等について質疑がありました。その後、令和四年九月にツキノワグマが出没し、捕獲された現場がある陸前落合駅近くの市街地を視察いたしました。
次に、協和運輸倉庫株式会社を訪問し、災害時に電動フォークリフトのバッテリーから地域住民に対して無料で給電を行うなどの取組に関する説明を聴取し、実際に給電の状況を視察いたしました。本取組は、災害時の給電拠点を平時から情報提供するアプリ、「電源ドナー」を利用するもので、東日本大震災の際に多方面から様々な援助を受けた物流企業として、災害時に地元住民を支えるという互助の取組であるとの説明がありました。派遣委員からは、同業者との連携の有無や今後の取組方針、使用済バッテリーを社会福祉法人において二次利用する「デコでんち」事業に関してバッテリーのリユース・リサイクルの取組状況等について質疑がありました。
二日目は、まず、道の駅上品の郷からユーラス石巻ウインドファームを視察しましたが、行きの車中にて、環境省から環境アセスメント制度の概要及び取組状況を、また、株式会社ユーラスエナジーホールディングスからは、事業の概要のほか環境アセスメントの実施状況について、それぞれ聴取いたしました。この中で、環境省からは環境アセスメント手続における環境大臣の意見では陸上風力発電に関するものが多く、特にバードストライクなど鳥類に関する指摘が多いとのことのほか、今期国会に提出予定の環境影響評価法改正法案の内容について説明がありました。また、ユーラス石巻ウインドファームに関しては、環境アセスメント実施の結果、風車の台数・配置を見直したほか、ハイキングロードの迂回路の設置、鳥類の保全措置等を行ったとの説明がありました。派遣委員からは、環境影響評価法改正法案について、環境アセスメントに係る環境大臣意見の内容が事業の主務大臣の段階で後退している事例を踏まえた検討の有無、風車の台数を八基から六基に変更した理由、バードストライクの発生状況、風車を撤去する際に要する期間と費用等について質疑がありました。
最後に、株式会社青南商事を訪問いたしましたが、行きの車中にて、環境省から令和五年度環境省予算により実施した太陽光発電設備のリユース・リサイクルに係る実証事業のほか、太陽光発電設備のリサイクル等への取組状況について説明を聴取いたしました。青南商事仙台工場においては、使用済太陽光パネルをリサイクルするに当たり、ガラス部分を破砕せずに、板状の状態でアルミフレームやセルシートなどの部材と完全に分離できるホットナイフ方式という高度処理について説明を聴取し、工場内の設備を視察いたしました。派遣委員からは、リサイクルガラスの有価買取先が少ない理由、太陽光パネルに含有される有害物質情報を明示する必要性、リサイクル処理と埋立処理のコストの違い等について質疑がありました。
以上が調査の概要であります。
最後に、今回の派遣に際し、お世話になった関係者の方々に厚く御礼を申し上げまして、報告を終わります。
15
青山繁晴(自民)
以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時三十八分散会
この発言のページ