2025年5月20日・第217回国会 参議院 外交防衛委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 261 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 273 発言)

沖縄の風の伊波洋一です。

会派を代表し、防衛省設置法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。

本法律案は、自衛隊の任務の円滑な遂行を図るためとして、自衛隊の組織改編、人的基盤の強化、同志国等との協力強化を行うものです。

自衛隊組織改編は、安保三文書に基づき、自衛隊を台湾防衛戦争に動員するためのものです。

人的基盤の強化は、自衛官の処遇改善により募集環境を改善し、充足率を引き上げようとするものです。米軍戦略の下、台湾防衛のために、日中全面戦争の最前線で長期にわたる持久戦を戦って耐え抜くという、言わば捨て駒になる自衛官の募集が容易になるはずはありません。また、自衛隊は、ハラスメントが蔓延し、それらを解決しようという組織的努力が見られない職場となっています。現在の日本社会の少子高齢化、人材不足の中で自衛隊志願者が減少することは、個人の職業選択の当然の結果です。

同志国との協力強化は、これまで個々の相手国ごとの整備をしてきた相手国の軍隊との物品役務協定、ACSAの国内担保法を一般化し、共通規定化するものです。条約の国内実施法が一般法化されることは、条約締結における国会の関与を低下させ、行政府の暴走を許すことになり、憲法に違反し、立法府の自殺行為となります。

四月七日付け産経新聞、「空自機 中国艦を仮想攻撃 日米演習の概要判明」の記事が示す日米共同作戦のシナリオでは、中国軍が台湾を侵攻するとともに、在日米軍の佐世保基地、岩国基地を攻撃します。これに対し日本政府は、個別的自衛権の行使の条件となる武力攻撃事態の認定を見送ります。個別的自衛権では台湾周辺での自衛隊の活動が制約されるからです。そこで、存立危機事態を認定し、米側の要請を受け入れ、集団的自衛権の行使として、航空自衛隊の戦闘機が空対艦ミサイルで台湾海峡西側の中国軍輸送艦を攻撃します。これを受けて中国軍が与那国島に上陸しますが、結果的に自衛隊が制圧したという経過でした。記事の図が示すことは、第一に自衛隊が中国軍を攻撃するということ、第二に日本方面で米軍は戦闘を行わないということです。

このように、安保三文書の行き着くところは、自衛隊は、来援をしない米軍に対応するために、全国三百の自衛隊基地で日本の国土を戦場とする持久戦を単独で戦うということです。これが米国防長官の言う台湾有事で最前線に立つという意味です。政府は、自衛官を捨て駒にしない、国民を犠牲にしない、国土を戦場にしないという当然の安全保障政策を選ばなければなりません。

日本国土を戦場として差し出す現行の安保三文書ではなく、これまでの日中の外交努力で積み上げてきた四つの基本文書を含む成果に基づいて、米国追従ではなく日本として対話による外交を通じた戦争をしない日中関係を構築することこそが求められていることを申し上げ、本法案に対する反対討論といたします。

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