福和伸夫名古屋大学名誉教授

2025年5月22日・第217回国会 衆議院 東日本大震災復興・防災・災害対策に関する特別委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 45 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 87 発言)

御指摘の部分はそのとおりであると思います。

残念ながら、今の日本の現状は、国は、市町村の情報とか都道府県の情報、特に建物について、詳細に把握しているわけではありません。限られた予算と限られた人数で被害想定というのはやっております。ですから、被害想定のためだけに耐震化の現状を詳細に調べるということは事実上難しいということもあって、被害予測に使っているデータというのは、例えば、総務省が常時行っているような、都道府県からもらってくるようなデータに基づいております。

これは、必ずしもどこにどれだけの建物があるかというよりは、全体としてこのぐらいの建物があるということをある程度都道府県別、市町村別に見ておりまして、それに対して、人口のデータは比較的詳細にありますから、人口はどのぐらいどこに住んでいるかということを勘案して、どのぐらいの建物がどこにあるんだろうということを見る。それに対して、どのぐらいの揺れがあるから被害がこうなるんだということを試算しています。ですから、本当にそこにそれだけの建物があって、どれだけ耐震化されているかが完全に把握できているわけではありません。

ただ、概数としては、例えば、耐震化の予算はどのぐらい補助で使っているかというようなことは概算として見ていますから、詳細な、ミクロな部分での精度には問題があるものの、全体としてマクロで見たときの数字の押さえは大きく違っているわけではないだろうと思います。

今回、被害が大きく減らなかった理由は、実は、データが詳細になってくると、例えば標高のデータなんですが、標高のデータが詳細になってくると、昔は、粗かったデータですと、こことここを結ぶときはこう結んでいたわけです。それが、詳細なデータになると、こういうデータが出てくるわけです。結果として、きちんとデータが取れてくることによって、浸水しやすい場所の面積が増えてしまったんです。結果として、浸水に伴う被害が増大しています。

耐震化に対しては、耐震化は、進みにくかったとはいっても、ある程度進みましたから、耐震化に伴う建物の揺れの被害は若干減っていますが、残念ながら、津波浸水に伴う被害が増えている。そういうようなことがあって、余り変わっていない。でも、全体としては、家屋の被害はあの程度で、死者が減らなかった一番の理由はやはり家が壊れるからであり、それから、けがをして逃げられない、逃げる意識が足りないというところで、やはり、圧倒的に国民の皆さんにその気になっていただくような、そういうような施策が大事であるというふうに思っています。

以上です。

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