ここも非常に大事なところで、是非先生方には御理解いただきたいんですけれども、日本の最大の問題は、物価が高いことではないというふうに私は思っています。賃金が低いことだと思っています。
なので、やるべきことは、物価を抑えるのではなくて、賃金を上げるということを頑張るべきだというふうに思いますし、例えば、一年前、二年前ですと、なかなかこの意見は皆さんに聞いていただけなかったんですけれども、この予算の資料の中でもしっかりとそこは今回は書かれておりますので、随分と、理解の仕方、賃金がまずいんだ、賃金が伸びないのがまずいんだ、物価が上がり過ぎているんじゃないんだ、ここが多くの方が御理解いただけるようになってきている、そこは非常に喜ばしいことだというふうに思っています。
それから、もう一度実質賃金の話に戻りますけれども、実質賃金については、確かに、今は物価との間のイタチごっこが続いているというのが表面的に見ては起きていることなんですけれども、私は基本的には人手不足というものが一番大きなファクターだというふうに思っていますので、それが持続性がある以上はどこかで実質賃金が上がり始めるんじゃないか、要は、人の労働の供給というものは、名目賃金でなく実質賃金の関数ですので、もっと働こうかどうかというふうに考える、その意思決定の源にあるのは実質賃金です。
名目賃金が上がっていても、物価がもっと上がっていたとすれば、実質賃金が下がったとすれば働こうとはならないわけですので、そうすると、人手不足である以上は必ずどこかのタイミングで実質賃金が上がってくるというふうに思いますし、今はそうなっていませんけれども、時間の問題であるというふうに思っております。
108
北神圭朗政府参考人など
有志の会の北神圭朗です。
先生方、本当に今日は勉強になりました。ありがとうございます。
また、田中先生におかれましては、ノーベル賞の受賞、心からお祝いを申し上げたいと思います。
それで、私は主に物価の話をお聞きしたいというふうに思いますので、ほかの先生方は失礼ですけれども、渡辺先生と、場合によってはちょっと河村先生にもお願いしたいというふうに思います。
まず、デフレとかインフレという言葉がかなり政治の世界あるいは評論家の世界では濫用されていて、実際は、物価の継続的な上昇がインフレであり、継続的な下落がデフレである。必ずしもそれが景気に結びつかない…
この発言のページ
109渡渡辺努東京大学大学院経済学研究科教授
現状の起きていること、特に実質賃金回りのことでいいますと、おっしゃるとおりでございまして、物価が上がる方が先に動いているわけであります。それを追いかけようとして、春闘も含めてですけれども、賃上げをするということが起こっております。
なかなか、物価の上昇の方は、ここも御指摘のとおりで、最初は輸入物価の上昇でしたので誰の目にも明らかですけれども、もう少し内生的な、日本の国内でのインフレに変わってきておりますので、そうすると、それをしっかりと賃金に織り込むというのがまた難しいということが起きております。
なので、やはり物価が上がることを何とかして賃金に織り…
この発言のページ
110
北神圭朗政府参考人など
もっと言うと、今のところうまくいっていないという話ですけれども、論理的に考えますと、賃上げ、価格転嫁、物価上昇というこの流れでいくと、なかなか永遠に実質賃金がプラスにならないというのを私は懸念していて、そういう意味では、少なくとも為替の方を動かして、もう少し物価を収めないと、二〇二四年のGDPというのは〇・一%かな、潜在成長率が〇・五%ですから。それで、分析をすると、やはり家計消費というものが一番引き下げている要因になっている。
だから、消費を盛り上げるためには、やはりもう少し物価を落ち着かせないといけないというふうに思っていますが、いかがでしょうか。
この発言のページ
- (上の発言)
111渡渡辺努東京大学大学院経済学研究科教授
ここも非常に大事なところで、是非先生方には御理解いただきたいんですけれども、日本の最大の問題は、物価が高いことではないというふうに私は思っています。賃金が低いことだと思っています。
なので、やるべきことは、物価を抑えるのではなくて、賃金を上げるということを頑張るべきだというふうに思いますし、例えば、一年前、二年前ですと、なかなかこの意見は皆さんに聞いていただけなかったんですけれども、この予算の資料の中でもしっかりとそこは今回は書かれておりますので、随分と、理解の仕方、賃金がまずいんだ、賃金が伸びないのがまずいんだ、物価が上がり過ぎているんじゃないんだ、ここが多くの方が御理解いただけるようになってきている、そこは非常に喜ばしいことだというふうに思っています。
それから、もう一度実質賃金の話に戻りますけれども、実質賃金については、確かに、今は物価との間のイタチごっこが続いているというのが表面的に見ては起きていることなんですけれども、私は基本的には人手不足というものが一番大きなファクターだというふうに思っていますので、それが持続性がある以上はどこかで実質賃金が上がり始めるんじゃないか、要は、人の労働の供給というものは、名目賃金でなく実質賃金の関数ですので、もっと働こうかどうかというふうに考える、その意思決定の源にあるのは実質賃金です。
名目賃金が上がっていても、物価がもっと上がっていたとすれば、実質賃金が下がったとすれば働こうとはならないわけですので、そうすると、人手不足である以上は必ずどこかのタイミングで実質賃金が上がってくるというふうに思いますし、今はそうなっていませんけれども、時間の問題であるというふうに思っております。
112
北神圭朗政府参考人など
逆に言うと、この人手不足というのは、何も政策ではなくて、日本の社会経済が置かれている構造的な要因でありますので、政策的には、日本銀行も、いわゆるコストプッシュインフレになっている為替要因というのを少なくとも落ち着かせていくこともあり得るんじゃないかと思うんですが、先生の論文とかを読んでいると余りそれは消極的なお考えのようですけれども、いかがでしょうか。
この発言のページ
113渡渡辺努東京大学大学院経済学研究科教授
日銀のいろいろなステートメントを見ても、もちろん円安は問題視しているわけですけれども、しかし、円安そのものが問題ではなくて、やはり円安が価格に転嫁されて、それでCPIとかそういうものは上がっていくというところが問題なわけで、現状そういう面がありますので、だからこそ、今も日銀は利上げを続けているんだというのが私の理解でございます。
なので、必ずしも円安は放置されているとは私は思っておりませんで、円安に伴う物価の上昇というところについてはしっかりと日銀は抑えようとしていますし、結果的にそこで金利が上がれば、多少なりとも円安も抑えられるというふうに思っており…
この発言のページ
114
北神圭朗政府参考人など
河村先生、ちょっと今日の講演とは違うんですけれども、日本銀行は、しゃべっていると、自分たちは為替なんかそんなものは参考にしないんだということをよくおっしゃるんですよ、要するに金融政策を考えるときに。
そこを、私は、為替なんかは一番、少なくも二〇〇〇年から見ると、日本の物価上昇率というのはかなり為替に、というか一番大きな要因じゃないか、私の理解では為替要因があると思うんですが、なぜ日本銀行は為替ということを言いたがらないんでしょうか。ちょっと、分かればでいいです。
この発言のページ