渡辺努東京大学大学院経済学研究科教授

2025年2月25日・第217回国会 衆議院 予算委員会公聴会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 111 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 243 発言)

ここも非常に大事なところで、是非先生方には御理解いただきたいんですけれども、日本の最大の問題は、物価が高いことではないというふうに私は思っています。賃金が低いことだと思っています。

なので、やるべきことは、物価を抑えるのではなくて、賃金を上げるということを頑張るべきだというふうに思いますし、例えば、一年前、二年前ですと、なかなかこの意見は皆さんに聞いていただけなかったんですけれども、この予算の資料の中でもしっかりとそこは今回は書かれておりますので、随分と、理解の仕方、賃金がまずいんだ、賃金が伸びないのがまずいんだ、物価が上がり過ぎているんじゃないんだ、ここが多くの方が御理解いただけるようになってきている、そこは非常に喜ばしいことだというふうに思っています。

それから、もう一度実質賃金の話に戻りますけれども、実質賃金については、確かに、今は物価との間のイタチごっこが続いているというのが表面的に見ては起きていることなんですけれども、私は基本的には人手不足というものが一番大きなファクターだというふうに思っていますので、それが持続性がある以上はどこかで実質賃金が上がり始めるんじゃないか、要は、人の労働の供給というものは、名目賃金でなく実質賃金の関数ですので、もっと働こうかどうかというふうに考える、その意思決定の源にあるのは実質賃金です。

名目賃金が上がっていても、物価がもっと上がっていたとすれば、実質賃金が下がったとすれば働こうとはならないわけですので、そうすると、人手不足である以上は必ずどこかのタイミングで実質賃金が上がってくるというふうに思いますし、今はそうなっていませんけれども、時間の問題であるというふうに思っております。

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