渡辺努東京大学大学院経済学研究科教授

2025年2月25日・第217回国会 衆議院 予算委員会公聴会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 26 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 243 発言)

先ほど私の最初の報告では、最賃というのは非常に大事だし、それから、そもそもアメリカの百年前のときにもやはり使われたものですので、決して非常にトリッキーなことをやっているわけではないと思っております。

とりわけ大事なのは、今も御指摘いただきましたけれども、千五百円というところを目指して、最初は十年間でしたかね、それをもう少し縮めるというふうに議論が進んでいると理解しておりますけれども、将来のパスをしっかりと示すということは、例えば春闘で今年賃上げ交渉する上でも非常に中小企業の労組を後押ししている形になっていると思いますので、私は望ましいものだというふうに思っております。

その上で、御質問に返りますと、そのようなことですけれども、もちろん経営者の方からすると、特に中小の経営者の方からすると、そこで最賃がぐんぐんぐんぐん上がっていくとすると、自分も上げなきゃいけないわけですので、そこの利益があるのかということで御不満があるというふうに私もよく中小の方からも聞いております。

ただ、そこはやはりしっかりと価格に転嫁できるような状況を整えていく、それは、先ほどの下請法もそうですし、今回の予算の中でも、価格転嫁について、特に中小企業の価格転嫁についての措置がされているわけでありますので、そういうのがちゃんと実効性を持つ形にしていく、それによって、どの中小企業の方でもしっかりと賃金を上げて、最賃法を守りながら、それを価格に転嫁する、こういうことはできるようにするというのがまずもって大事かというふうに思います。

なので、最低賃金を急速に上げ過ぎると厳しいので少し勘弁してほしいとか、あるいは、最低賃金が上がっちゃうので、そこの収益面でサポートをするとか、そういうのというのは少し邪道なのかなというふうに私自身は思います。

例えば、中小企業の方がしっかりとした賃金をお支払いになるために、もっとDX化が必要だというようなことであれば、それはそこの面でのお手伝いというのを政府がやるということは十分あり得ると思うんですけれども、その場しのぎの収益面での、例えば一年間の賃金を払うためのお金を何らかの形で政府が手当てするとかというのは少し本筋と離れているのかなというふうに思います。やはり、中小企業の方々にも積極的に高い賃金を払えるような努力というのを是非この機会にやっていただきたいなというふうに思っております。

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