おはようございます。
改正食料・農業・農村基本法に基づく初めての食料・農業・農村基本計画が、四月十一日に閣議決定されました。
熟議の国会でありますので、与野党の垣根を超え、基本計画に係る委員会質疑をいただき、また、本委員会の決議もいただきました。このことにつきまして感謝申し上げます。これらの議論を最大限尊重し、本基本計画を策定いたしました。
以下、その内容につきまして御説明申し上げます。
まず、「まえがき」として、食料安全保障に関する課題を整理した上で、改正基本法の基本理念に基づき、我が国の食料、農業、農村を維持発展させるために必要な施策の方向性を具体化すること、また、初動五年間で農業の構造転換を集中的に推し進めるため、基本計画の計画期間を五年とすることを掲げています。
次に、第一の食料、農業及び農村に関する施策についての基本的な方針です。
具体的には、我が国の食料供給として、農地、人や生産資材等の資源を確保し、それらと農業生産基盤の整備、保全、先端的技術の開発普及とが効率的に組み合わされた農業構造へ転換して生産性を向上させることにより、食料自給力を確保します。また、生産性向上と付加価値向上を通じ、農業経営の収益力を高め、農業者の所得向上を図ることにより、農業の持続的発展を図ります。あわせて、食料の安定的な輸入の確保、備蓄の確保を図ることとします。
輸出の促進等については、国内への食料供給に加え、今後成長する海外の食市場を取り込み、農林水産物・食品の輸出の促進等により海外から稼ぐ力を強化することで、農業生産の基盤、食料産業の事業基盤等の食料供給能力を確保することとします。
国民一人一人の食料安全保障、持続的な食料システムについては、持続的な食料システムを構築し、食料を消費者まで送り届けられるよう、食品産業の持続的発展を図るとともに、合理的な価格形成を推進します。また、平時からの物理的、経済的な食品アクセスに加え、不測時の食品アクセスを確保します。
環境と調和の取れた食料システムの確立、多面的機能の発揮について、食料供給の各段階において、環境負荷の低減を図ります。また、多面的機能について、環境への負荷低減を図りつつ、適切かつ十分に発揮することとしています。
農村の振興について、人口減少下においても地域社会が維持され、食料供給能力及び多面的機能が発揮されるよう、生産基盤の整備、保全や共同活動の促進、所得向上や雇用の創出、生活利便性を確保する取組等の推進を図ります。
次に、第二の食料安全保障の動向では、我が国の食料安全保障と密接に結びついている、世界の食料需給、貿易等の動向、それに影響を与え得るリスクなどについて分析し、整理しております。
第三では、目標年度を令和十二年度とし、食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標を定めております。
食料安全保障の確保のための食料の安定的な供給は、国内の農業生産の増大を基本とし、安定的な輸入と備蓄の確保を図ることにより行うこととしており、そのため、供給熱量ベースの食料自給率を四五%、摂取熱量ベース食料自給率を五三%に設定し、また、食料自給力の確保に向け、農地面積や担い手数、生産性の向上、生産資材の確保に関する目標を設定しています。これに加え、輸入の安定化や備蓄の確保に関する目標を設定しています。
輸出の促進等に関し、農林水産物・食品の輸出額目標を五兆円とするとともに、食品産業の海外展開による収益額、インバウンドによる食関連消費額の目標など、食料安全保障の確保に関する目標を掲げています。
また、目標と併せKPIを設定し、目標の達成状況の把握だけではなく、KPIを検証することにより、PDCAサイクルによる施策の不断の見直しを行うことといたします。
第四は、食料、農業及び農村に関し総合的かつ計画的に構ずべき施策です。
一つ目は、我が国の食料供給に関する施策です。
まず、水田政策について、令和九年度から根本的に見直すこととし、水田を対象として支援する水田活用の直接支払交付金を、作物ごとの生産性向上等への支援へと転換することを位置づけました。
加えて、米輸出の更なる拡大に向けて、低コストで生産できる輸出向け産地を新たに育成するとともに、海外における需要拡大を推進します。
また、規模の大小や個人、法人などの経営形態にかかわらず、農業で生計を立てる担い手、農地、水を確保するとともに、地域計画に基づき担い手への農地の集積、集約化を推進します。
さらに、サステーナブルな農業構造を実現するため、親元就農や雇用就農の促進により、担い手を確保します。
生産コストの低減を図るため、農地の大区画化、情報通信環境の整備、スマート農業技術、DXの推進や農業支援サービス事業者の育成、品種の育成、共同利用施設等の再編、集約、合理化等を推進します。
加えて、生産資材について、国内資源の肥料利用の拡大、化学肥料の原料備蓄、主な穀物の国産種子の自給、国産飼料への転換を推進します。
二つ目は、輸出の促進に関する施策です。
マーケットイン、マーケットメイクの観点から、新たな輸出先の開拓、輸出産地の育成、国内外一貫したサプライチェーンの構築を推進します。
また、食品産業の海外展開とインバウンドによる食関連消費の拡大により、輸出拡大との相乗効果の発揮を図ります。
これらにより、食料自給率、食料自給力の向上、海外から稼ぐ力の強化を図ることを通じて、農業経営の収益力を高め、農業者の所得の向上に取り組みます。
三つ目は、国民一人一人の食料安全保障、持続的な食料システムに関する施策です。
食料システムの関係者の連携を通じた、食品等の持続的な供給のための取組、合理的な価格形成を推進します。
食品アクセスの確保に関しては、ラストワンマイル物流の確保、フードバンク等の食料受入れ、提供機能の強化等を行います。
四つ目は、環境と調和の取れた食料システムの確立、多面的機能の発揮に関する施策です。
GXに取り組む民間活力を取り込み、脱炭素化、生産性向上、地域経済の活性化を同時に実現するみどりGX推進プランを策定し、新たな環境直接支払い交付金やクロスコンプライアンスの実施を通じた環境負荷の低減、農林漁業循環経済の取組を促進します。
また、農業生産活動の継続を通じた多面的機能の発揮を促進します。
五つ目は、農村の振興に関する施策です。
総合的な農村振興のため、地方みらい共創戦略を策定し、官民共創の仕組みを活用した、地域内外の民間企業の参画促進や地域と企業の新たな結合等により、関係人口の増加を図り、楽しい農村を創出します。
農泊や農福連携等、内発型新事業を創出するとともに、生活インフラ等の確保に取り組みます。
また、中山間地域等の振興のため、農村RMOの立ち上げ等による集落機能の維持、地域課題に対応し、地域の特色を生かした農業で稼ぐための取組を支援します。
六つ目は、国民理解の醸成に関する施策です。
農業等に対する消費者の更なる理解や行動変容につなげるため、食育等を推進します。
七つ目は、自然災害への対応に関する施策です。
東日本大震災からの復旧復興については、被災地のニーズを丁寧に酌み取りつつ、担い手の確保や産地形成等を支援してまいります。能登半島地震と豪雨災害からの復旧復興については、農地等の復旧やなりわい再建等の総合的な支援策を切れ目なく実施してまいります。
最後に、第五、食料、農業及び農村に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項です。
食料システム全体の生産性向上に向けたDXの推進、食料システムの関係者間の連携、関係府省庁との連携による施策の推進等を位置づけております。
農林水産省といたしましては、この基本計画に基づき、多くの方々の御意見と御理解を得て、食料システムが一体となって、スピード感を持って施策を推進してまいります。
委員長を始め理事、委員各位の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
0会会議録情報政府参考人など
令和七年四月十六日(水曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 御法川信英君
理事 鈴木 貴子君 理事 西田 昭二君
理事 葉梨 康弘君 理事 神谷 裕君
理事 野間 健君 理事 池畑浩太朗君
理事 長友 慎治君
五十嵐 清君 大空 幸星君
栗原 渉君 小池 正昭君
島田 智明君 武村 展英君
田野瀬太道君 根本 拓君
根本 幸典君 長谷川淳二君
広瀬 建君 福原 淳嗣君
三反園 訓君 宮下 一郎君
向山 淳君 森下 千里君
簗 和生君 石川 香織君
岡田…
この発言のページ
1
御法川信英(自民)
これより会議を開きます。
農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、食料・農業・農村基本計画について政府から説明を聴取いたします。農林水産大臣江藤拓君。
この発言のページ
- (上の発言)
2
江藤拓(自民)農林水産大臣
おはようございます。
改正食料・農業・農村基本法に基づく初めての食料・農業・農村基本計画が、四月十一日に閣議決定されました。
熟議の国会でありますので、与野党の垣根を超え、基本計画に係る委員会質疑をいただき、また、本委員会の決議もいただきました。このことにつきまして感謝申し上げます。これらの議論を最大限尊重し、本基本計画を策定いたしました。
以下、その内容につきまして御説明申し上げます。
まず、「まえがき」として、食料安全保障に関する課題を整理した上で、改正基本法の基本理念に基づき、我が国の食料、農業、農村を維持発展させるために必要な施策の方向性を具体化すること、また、初動五年間で農業の構造転換を集中的に推し進めるため、基本計画の計画期間を五年とすることを掲げています。
次に、第一の食料、農業及び農村に関する施策についての基本的な方針です。
具体的には、我が国の食料供給として、農地、人や生産資材等の資源を確保し、それらと農業生産基盤の整備、保全、先端的技術の開発普及とが効率的に組み合わされた農業構造へ転換して生産性を向上させることにより、食料自給力を確保します。また、生産性向上と付加価値向上を通じ、農業経営の収益力を高め、農業者の所得向上を図ることにより、農業の持続的発展を図ります。あわせて、食料の安定的な輸入の確保、備蓄の確保を図ることとします。
輸出の促進等については、国内への食料供給に加え、今後成長する海外の食市場を取り込み、農林水産物・食品の輸出の促進等により海外から稼ぐ力を強化することで、農業生産の基盤、食料産業の事業基盤等の食料供給能力を確保することとします。
国民一人一人の食料安全保障、持続的な食料システムについては、持続的な食料システムを構築し、食料を消費者まで送り届けられるよう、食品産業の持続的発展を図るとともに、合理的な価格形成を推進します。また、平時からの物理的、経済的な食品アクセスに加え、不測時の食品アクセスを確保します。
環境と調和の取れた食料システムの確立、多面的機能の発揮について、食料供給の各段階において、環境負荷の低減を図ります。また、多面的機能について、環境への負荷低減を図りつつ、適切かつ十分に発揮することとしています。
農村の振興について、人口減少下においても地域社会が維持され、食料供給能力及び多面的機能が発揮されるよう、生産基盤の整備、保全や共同活動の促進、所得向上や雇用の創出、生活利便性を確保する取組等の推進を図ります。
次に、第二の食料安全保障の動向では、我が国の食料安全保障と密接に結びついている、世界の食料需給、貿易等の動向、それに影響を与え得るリスクなどについて分析し、整理しております。
第三では、目標年度を令和十二年度とし、食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標を定めております。
食料安全保障の確保のための食料の安定的な供給は、国内の農業生産の増大を基本とし、安定的な輸入と備蓄の確保を図ることにより行うこととしており、そのため、供給熱量ベースの食料自給率を四五%、摂取熱量ベース食料自給率を五三%に設定し、また、食料自給力の確保に向け、農地面積や担い手数、生産性の向上、生産資材の確保に関する目標を設定しています。これに加え、輸入の安定化や備蓄の確保に関する目標を設定しています。
輸出の促進等に関し、農林水産物・食品の輸出額目標を五兆円とするとともに、食品産業の海外展開による収益額、インバウンドによる食関連消費額の目標など、食料安全保障の確保に関する目標を掲げています。
また、目標と併せKPIを設定し、目標の達成状況の把握だけではなく、KPIを検証することにより、PDCAサイクルによる施策の不断の見直しを行うことといたします。
第四は、食料、農業及び農村に関し総合的かつ計画的に構ずべき施策です。
一つ目は、我が国の食料供給に関する施策です。
まず、水田政策について、令和九年度から根本的に見直すこととし、水田を対象として支援する水田活用の直接支払交付金を、作物ごとの生産性向上等への支援へと転換することを位置づけました。
加えて、米輸出の更なる拡大に向けて、低コストで生産できる輸出向け産地を新たに育成するとともに、海外における需要拡大を推進します。
また、規模の大小や個人、法人などの経営形態にかかわらず、農業で生計を立てる担い手、農地、水を確保するとともに、地域計画に基づき担い手への農地の集積、集約化を推進します。
さらに、サステーナブルな農業構造を実現するため、親元就農や雇用就農の促進により、担い手を確保します。
生産コストの低減を図るため、農地の大区画化、情報通信環境の整備、スマート農業技術、DXの推進や農業支援サービス事業者の育成、品種の育成、共同利用施設等の再編、集約、合理化等を推進します。
加えて、生産資材について、国内資源の肥料利用の拡大、化学肥料の原料備蓄、主な穀物の国産種子の自給、国産飼料への転換を推進します。
二つ目は、輸出の促進に関する施策です。
マーケットイン、マーケットメイクの観点から、新たな輸出先の開拓、輸出産地の育成、国内外一貫したサプライチェーンの構築を推進します。
また、食品産業の海外展開とインバウンドによる食関連消費の拡大により、輸出拡大との相乗効果の発揮を図ります。
これらにより、食料自給率、食料自給力の向上、海外から稼ぐ力の強化を図ることを通じて、農業経営の収益力を高め、農業者の所得の向上に取り組みます。
三つ目は、国民一人一人の食料安全保障、持続的な食料システムに関する施策です。
食料システムの関係者の連携を通じた、食品等の持続的な供給のための取組、合理的な価格形成を推進します。
食品アクセスの確保に関しては、ラストワンマイル物流の確保、フードバンク等の食料受入れ、提供機能の強化等を行います。
四つ目は、環境と調和の取れた食料システムの確立、多面的機能の発揮に関する施策です。
GXに取り組む民間活力を取り込み、脱炭素化、生産性向上、地域経済の活性化を同時に実現するみどりGX推進プランを策定し、新たな環境直接支払い交付金やクロスコンプライアンスの実施を通じた環境負荷の低減、農林漁業循環経済の取組を促進します。
また、農業生産活動の継続を通じた多面的機能の発揮を促進します。
五つ目は、農村の振興に関する施策です。
総合的な農村振興のため、地方みらい共創戦略を策定し、官民共創の仕組みを活用した、地域内外の民間企業の参画促進や地域と企業の新たな結合等により、関係人口の増加を図り、楽しい農村を創出します。
農泊や農福連携等、内発型新事業を創出するとともに、生活インフラ等の確保に取り組みます。
また、中山間地域等の振興のため、農村RMOの立ち上げ等による集落機能の維持、地域課題に対応し、地域の特色を生かした農業で稼ぐための取組を支援します。
六つ目は、国民理解の醸成に関する施策です。
農業等に対する消費者の更なる理解や行動変容につなげるため、食育等を推進します。
七つ目は、自然災害への対応に関する施策です。
東日本大震災からの復旧復興については、被災地のニーズを丁寧に酌み取りつつ、担い手の確保や産地形成等を支援してまいります。能登半島地震と豪雨災害からの復旧復興については、農地等の復旧やなりわい再建等の総合的な支援策を切れ目なく実施してまいります。
最後に、第五、食料、農業及び農村に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項です。
食料システム全体の生産性向上に向けたDXの推進、食料システムの関係者間の連携、関係府省庁との連携による施策の推進等を位置づけております。
農林水産省といたしましては、この基本計画に基づき、多くの方々の御意見と御理解を得て、食料システムが一体となって、スピード感を持って施策を推進してまいります。
委員長を始め理事、委員各位の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
3
御法川信英(自民)
以上で説明は終わりました。
―――――――――――――
この発言のページ
4
御法川信英(自民)
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官山口靖君、大臣官房総括審議官宮浦浩司君、大臣官房技術総括審議官堺田輝也君、大臣官房統計部長深水秀介君、消費・安全局長安岡澄人君、輸出・国際局長森重樹君、農産局長松尾浩則君、畜産局長松本平君、経営局長杉中淳君、農村振興局長前島明成君、林野庁長官青山豊久君、水産庁長官森健君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言のページ
5
御法川信英(自民)
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、会計検査院事務総局第四局長中川浩君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言のページ