有識者会議の提言が、「今後、我が国が目指すアクセス・無害化の制度導入とその執行は、我が国の国家実行として国際法規則の形成に影響を与える事項である」としておりましたけれども、このことは、裏返して言えば、国際社会に共通認識が形成されていないということを認めるものでもあります。
国によって言及している具体例は様々で、日本政府の基本的立場では、「主権侵害と違法な干渉の関係については、」「様々な意見が表明されており、国家実行や今後の議論を通じて特定されることが望まれる。」と述べておるわけで、政府も、国際社会に共通認識がないことを認めている。そういう中でのアクセス・無害化措置の問題点を指摘するものであります。
その上で、警察権の行使との関係で、坂井国家公安委員会委員長にお尋ねをいたします。
警察庁の政策立案総括審議官も務めておられた筋伊知朗近畿大学情報学研究所の教授が、サイバー犯罪との関係での言及をしていることを紹介しますと、我が国の刑法が適用される犯罪であっても我が国の捜査権を外国の領域に及ぼすことはできない、外国で公権力の行使を行うことは、その国の主権を侵害するおそれがあるため許されないとし、外国での捜査が必要な場合は、国際捜査共助の手続を取って、当該国の捜査機関の協力を得ることが不可欠となると述べています。
また、サイバー犯罪条約第三十二条は、外国の領域に蔵置されたコンピューターデータに対する国境を越えるアクセスが当該国の許可なしに認められる場合として、当該データを開示する権限を有する者の合法的かつ任意の同意が得られることを条件として、自国領域内にあるコンピューターシステムを通じて当該データにアクセスし受領することを認めております。
そうなりますと、外国の領域における我が国の捜査権について、国際捜査共助の手続を取るか、サイバー犯罪条約に基づく被疑者等の同意を得ない限り、当該国の主権を侵害するおそれがあるということではありませんか。
179
岩屋毅(自民)外務大臣
先ほどとまた繰り返しになって恐縮ですが、現在ある国際社会のコンセンサスの上に、今、国連全加盟国が参加可能な議論の場として国連オープンエンド作業部会が設置をされておりますので、外務省としては、引き続き、こうした国際社会における議論に積極的に参加、関与してまいりたいと考えております。
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180
塩川鉄也(共産)
当委員会での参考人質疑で、大澤参考人は、緊急避難の違法性阻却は不十分ということでの意見を述べておられました。緊急避難は、不正急迫の侵害が行われている最中であればできるが、相手のネットワークに入る準備期間というのは、数か月かけて入ってくる、その間は不正急迫なことが起きているわけではない、この緊急避難で違法性が阻却できるのかというのはなかなか難しいと述べているわけです。
このように、緊急避難についての懸念の声なども出されているわけですが、こういう点についてはいかがでしょうか。
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岩屋毅(自民)外務大臣
一般論として申し上げますと、アクセス・無害化措置は、攻撃者が利用しているサーバー等を発見した上で、当該サーバーを用いて、いつサイバー攻撃が行われて重大な危害が発生してもおかしくないという緊急の必要がある状況において講じることが想定されているところでございます。
この緊急状態を援用する場合には、外務大臣は、先刻御紹介申し上げました、国連の国際法委員会の国家責任条文第二十五条に言う緊迫した危険に当たるかどうか、個別具体的に適切に判断をしていきたいというふうに考えております。
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- (上の発言)
182
塩川鉄也(共産)
有識者会議の提言が、「今後、我が国が目指すアクセス・無害化の制度導入とその執行は、我が国の国家実行として国際法規則の形成に影響を与える事項である」としておりましたけれども、このことは、裏返して言えば、国際社会に共通認識が形成されていないということを認めるものでもあります。
国によって言及している具体例は様々で、日本政府の基本的立場では、「主権侵害と違法な干渉の関係については、」「様々な意見が表明されており、国家実行や今後の議論を通じて特定されることが望まれる。」と述べておるわけで、政府も、国際社会に共通認識がないことを認めている。そういう中でのアクセス・無害化措置の問題点を指摘するものであります。
その上で、警察権の行使との関係で、坂井国家公安委員会委員長にお尋ねをいたします。
警察庁の政策立案総括審議官も務めておられた筋伊知朗近畿大学情報学研究所の教授が、サイバー犯罪との関係での言及をしていることを紹介しますと、我が国の刑法が適用される犯罪であっても我が国の捜査権を外国の領域に及ぼすことはできない、外国で公権力の行使を行うことは、その国の主権を侵害するおそれがあるため許されないとし、外国での捜査が必要な場合は、国際捜査共助の手続を取って、当該国の捜査機関の協力を得ることが不可欠となると述べています。
また、サイバー犯罪条約第三十二条は、外国の領域に蔵置されたコンピューターデータに対する国境を越えるアクセスが当該国の許可なしに認められる場合として、当該データを開示する権限を有する者の合法的かつ任意の同意が得られることを条件として、自国領域内にあるコンピューターシステムを通じて当該データにアクセスし受領することを認めております。
そうなりますと、外国の領域における我が国の捜査権について、国際捜査共助の手続を取るか、サイバー犯罪条約に基づく被疑者等の同意を得ない限り、当該国の主権を侵害するおそれがあるということではありませんか。
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坂井学(自民)国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災・海洋政策)
まず、一般論として申し上げれば、国際法上、どのような行為が主権の侵害と評価されるか否かについては、個別具体的な状況に応じて判断されることから、一概にお答えすることは困難でございます。
その上で申し上げれば、実務上、例えば捜査が他国の領域に及ぶような場合には、国際捜査共助を要請するなどしているものと承知しております。
なお、今回のアクセス・無害化措置は、お尋ねのような刑事訴訟法に基づく捜査ではなく、あくまでも警察官職務執行法の規定に基づく危害防止のための措置でございます。
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184
塩川鉄也(共産)
警職法の危害防止措置で対応するのでいいのかという点が問われてくるわけであります。
アクセス・無害化措置を行うために、警察官職務執行法を改定をするわけであります。警職法は、職務質問など、本来、あくまで任意で、強制捜査に至らないような、そういう職務を定めたものであって、令状なしでも行うということなわけですけれども、これは、本来、裁判所の令状なしで通信情報を捜査に利用するようなことは憲法第三十五条の令状主義に反するもの、このことが問われるわけですが、その点についてはいかがでしょうか。
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185逢逢阪貴士警察庁サイバー警察局長
お答えいたします。
先ほど大臣からも答弁いたしましたとおり、今回のアクセス・無害化措置は、犯罪捜査ではなく、警察官職務執行法に基づいて行う行政上の措置だということでございます。
したがって、法律上も様々な要件を設けておりまして、憲法の規定にも適合していると理解しております。
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