御質問ありがとうございます。
確かに、この場合の通知は、意思表示に準じて、民法九十八条の準用により公示送達申請手続を取り得る可能性があります。債権譲渡の通知なんかと同じような形ですね。しかし、公示送達申請手続には手間とコストがかかります。まず、要件が非常に厳格でして、いわばフィクションで届いたことにするわけですので、住んでいないことがはっきりしなきゃいけないわけですね。
そのためには住所をきちんと調べなきゃいけないということで、現地に赴き、例えば具体的に言うと、住所地とされるところに、現地に赴いて、近隣に聞いて、あそこに住んではりませんかねということを聞いて回ったりとか、郵便受けを調べたりとか、電気メーターとかが回っていないかを調べて、夜、電気がついていないか見に行けとか、昼間は分からぬから、夜、見に行けとか、洗濯物が干されていないかとか、そういうことを見に行けというようなことを裁判所から言われたりするわけです。
ポストの中なんか、どうやって見るんですかという話なんですけれども、裁判所は平気で言うので、プライバシーの侵害じゃないかと私なんかは思うんですけれども、そういうことをやった挙げ句に、それが遠方だった場合、一体どうするんですかという話になるわけですね。それが一件だけでも大変なんです。
我々は、訴訟をやるときに、公示送達という手続になったときに、そういうふうな手続を取らなきゃいけないことが間々あって、泣きながらやるわけですけれども、これがマンションになって、先ほど申し上げたように、私がやった事件でしたら、六百五十四戸の中で百五十戸も移転している。百五十戸、全部届かないということはないと思うんですけれども、そのうち例えば二、三割でも分からなくなっていれば、もうそれだけでも膨大なコストになるわけで、しかも、転々流通していくわけですよね。そうすると、前の人を遡って、その前の前に遡っていくというようなことになって、すごく大変なことになる。これはもう極めて非現実的なことではなかろうかと思います。
当然承継にすると、そんなことをする必要は全くないわけですよね。通知すらする必要がなくて、登記で今の現在の区分所有者を調べればいいので、法務局に行って登記を上げる、それだけで済むわけです。どちら側が現実的なのか、もうすぐに分かりますよね。なので、当然承継説が優れていると考えます。
以上です。
85堀堀川あきこ(共産)
詳しい御説明をありがとうございます。
この改正案の二十六条の五のところ、旧区分所有者への通知についても定めてあります。この管理者が旧区分所有者を代理して原告又は被告になった場合、管理者は遅滞なく旧区分所有者にその旨を通知しなければならないというふうな規定になっているわけなんですけれども、管理者の立場の方々から、この点について様々な懸念、実際お聞きもしました。
この旧区分所有者への通知に関して、神崎先生の御意見をお聞かせください。
この発言のページ
86神神崎哲欠陥住宅被害全国連絡協議会幹事長
御質問ありがとうございます。
これは、極めて重大な問題もそこにもあります。
戸数の多いマンションで転売が多数生じている場合、多数の旧区分所有者に通知をすることは非常に困難であり、場合によっては事実上不可能となります。
私の配らせていただいている資料三、九十四分の十を御覧いただきたいんですけれども、これは国交省の資料で、マンションの流通量を示しているわけですけれども、二〇一五年以降の九年間で見ても、既存マンションは毎年十三・五万戸から十六万戸、この九年間の間に百三十二万戸が譲渡されています。仮にマンション戸数が七百万戸と仮定して、単純計算しても一八・…
この発言のページ
87堀堀川あきこ(共産)
ありがとうございます。
本当に物すごい実務量になってしまうということと、なかなか難しい作業になっていくというふうなお話なんですけれども、その中で、旧区分所有者の住所を調査をするという方法もあれば、それで大変苦労されたというお話が先ほどもありましたけれども、あとは公示による通知についても今回認められるということになるんですけれども、こうした措置ではやはり不十分というふうなお考えでしょうか。
この発言のページ
- (上の発言)
88神神崎哲欠陥住宅被害全国連絡協議会幹事長
御質問ありがとうございます。
確かに、この場合の通知は、意思表示に準じて、民法九十八条の準用により公示送達申請手続を取り得る可能性があります。債権譲渡の通知なんかと同じような形ですね。しかし、公示送達申請手続には手間とコストがかかります。まず、要件が非常に厳格でして、いわばフィクションで届いたことにするわけですので、住んでいないことがはっきりしなきゃいけないわけですね。
そのためには住所をきちんと調べなきゃいけないということで、現地に赴き、例えば具体的に言うと、住所地とされるところに、現地に赴いて、近隣に聞いて、あそこに住んではりませんかねということを聞いて回ったりとか、郵便受けを調べたりとか、電気メーターとかが回っていないかを調べて、夜、電気がついていないか見に行けとか、昼間は分からぬから、夜、見に行けとか、洗濯物が干されていないかとか、そういうことを見に行けというようなことを裁判所から言われたりするわけです。
ポストの中なんか、どうやって見るんですかという話なんですけれども、裁判所は平気で言うので、プライバシーの侵害じゃないかと私なんかは思うんですけれども、そういうことをやった挙げ句に、それが遠方だった場合、一体どうするんですかという話になるわけですね。それが一件だけでも大変なんです。
我々は、訴訟をやるときに、公示送達という手続になったときに、そういうふうな手続を取らなきゃいけないことが間々あって、泣きながらやるわけですけれども、これがマンションになって、先ほど申し上げたように、私がやった事件でしたら、六百五十四戸の中で百五十戸も移転している。百五十戸、全部届かないということはないと思うんですけれども、そのうち例えば二、三割でも分からなくなっていれば、もうそれだけでも膨大なコストになるわけで、しかも、転々流通していくわけですよね。そうすると、前の人を遡って、その前の前に遡っていくというようなことになって、すごく大変なことになる。これはもう極めて非現実的なことではなかろうかと思います。
当然承継にすると、そんなことをする必要は全くないわけですよね。通知すらする必要がなくて、登記で今の現在の区分所有者を調べればいいので、法務局に行って登記を上げる、それだけで済むわけです。どちら側が現実的なのか、もうすぐに分かりますよね。なので、当然承継説が優れていると考えます。
以上です。
89堀堀川あきこ(共産)
もう時間が来そうなんですけれども、先ほど来からお伺いをして、まず管理者の方への絶大な負担ということが今でさえ存在しているというふうな中で、更なる負担が生じる可能性もあるというふうな御指摘だったというふうに思います。探偵のようなやり方で、そこまでやらせるのかというふうなことは、ちょっと正さなければならないなというふうに改めて思いました。
今回、この旧区分所有者に関する区分所有権の問題で、沖野先生、中野先生、神崎先生それぞれのお考えを聞かせていただいたんですけれども、やはり、私は、現実に即して法というのはあるべきだというふうに考えているんですね。今の在り方…
この発言のページ
90
井上貴博(自民)
次に、福島伸享君。
この発言のページ
91
福島伸享政府参考人など
有志の会の福島伸享でございます。
四人の参考人の先生方、本日はどうもありがとうございます。最後の質疑でございますので、気合を入れて答弁をいただければというふうに思っております。
まず、私は、大前提として、法制審議会の区分所有法部会について、私は役人をやっていたんですけれども、これだけ部会長が長々と意見をおっしゃる審議会というのは余り見たことがなくて、しかも、発言しているのはほとんど法曹関係者ばかりなので、法律の専門家による議論だと思ったら、メンバーにはいっぱい一般の人がいて、かつて私がシンクタンクで勤めたときの私の部下まで入っているんですね。どう見た…
この発言のページ