ありがとうございます。
まず、逆の場合を考えてみたいんですね。欠陥判明前に通常の市場価格で転売した場合に、旧区分所有者には瑕疵による損害が一切ないため、損害はないんです。この場合には、新区分所有者に当然承継を認めるべきということは明らかなわけですね。
逆に、代金減額による損害を考慮する考え方に立つならば、代金減額が修補費用の共有持分より少ない場合、新区分所有者にも損害があることになりますよね。修補に代わる損害賠償請求権の全部を旧区分所有者が留保することというのは不公平になりますよね。代金減額分は、修補費用損害賠償請求権の共有持分から算出されたものではありません。修補費用損害額というのは、それだけでも数年にわたり欠陥住宅訴訟で争われる可能性のある大論点なわけです。そんなものを考慮して代金額が決められているとは思えません。
そうすると、改正法案の考え方に立った場合、減額を避ける方法としましては、新区分所有者に修補に代わる損害賠償請求権を譲渡するとして、瑕疵のない市場価格で売却すれば済むだけの話なわけですね。
しかし、減額を求める人は、現実にそれで購入することはないかも分からないです。それはなぜかというと、損害賠償請求に伴う負担とリスクがあるからです。損害賠償請求権がついているから、それで請求できるからいいじゃないかと言われても、実際には瑕疵のせいで減額するというのは、きずものだという風評被害があったりとか、損害賠償請求に伴う負担リスク、敗訴リスクとかもあるからということで、それはもう実は、減額されているものの中身としては、補修費じゃなくなっちゃっていると言わざるを得ないと思うんですね。
転売した旧区分所有者が実際に損害賠償請求をすることがないということは、先ほどから申し上げているとおり、我々も、私もそうですし、欠陥住宅被害全国連絡協議会の会員も、転売した旧区分所有者が業者に対して補修費の損害賠償請求をしたという例は見たことがありません。そういう権利があるとすら思っていないはずです。
ということで考えると、この問題について、売却価格の低下の問題というのと、それから損害賠償請求権の帰属の問題は切り離して考えるべきということで、もし売却価格が何らかの低下をもたらしているとした場合であっても、新旧区分所有者の転売当事者間において、将来、例えば損害賠償が得られたというときにはそれで精算しましょうという特約を結んでおいたりとか、特約がないとしても、不当利得返還請求権によって調整するということで、幾らでも調整できるわけです。
そういう意味では、転売当事者間の利益調整の問題を、団体的な規律を考えているマンションの共用部分の損害賠償請求権の帰属において考えるべきではないと考えます。
以上です。
29
長友よしひろ(立憲)
ありがとうございました。終わります。
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30
井上貴博(自民)
次に、奥下剛光君。
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31
奥下剛光(維新)
日本維新の会の奥下でございます。
参考人の先生方、本日はありがとうございます。限られた時間でございますので、早速質疑に入りたいと思います。
当然継承案に対しては、欠陥の発覚後に転売する際に、欠陥のせいで代金を減額しなければならなくなった場合、旧区分所有者の財産権を保護する必要があることから、損害賠償請求権を当然に移転するべきでないという批判がありますが、これについてどうお考えでしょうか。神崎参考人に求めたいと思います。
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- (上の発言)
32神神崎哲欠陥住宅被害全国連絡協議会幹事長
ありがとうございます。
まず、逆の場合を考えてみたいんですね。欠陥判明前に通常の市場価格で転売した場合に、旧区分所有者には瑕疵による損害が一切ないため、損害はないんです。この場合には、新区分所有者に当然承継を認めるべきということは明らかなわけですね。
逆に、代金減額による損害を考慮する考え方に立つならば、代金減額が修補費用の共有持分より少ない場合、新区分所有者にも損害があることになりますよね。修補に代わる損害賠償請求権の全部を旧区分所有者が留保することというのは不公平になりますよね。代金減額分は、修補費用損害賠償請求権の共有持分から算出されたものではありません。修補費用損害額というのは、それだけでも数年にわたり欠陥住宅訴訟で争われる可能性のある大論点なわけです。そんなものを考慮して代金額が決められているとは思えません。
そうすると、改正法案の考え方に立った場合、減額を避ける方法としましては、新区分所有者に修補に代わる損害賠償請求権を譲渡するとして、瑕疵のない市場価格で売却すれば済むだけの話なわけですね。
しかし、減額を求める人は、現実にそれで購入することはないかも分からないです。それはなぜかというと、損害賠償請求に伴う負担とリスクがあるからです。損害賠償請求権がついているから、それで請求できるからいいじゃないかと言われても、実際には瑕疵のせいで減額するというのは、きずものだという風評被害があったりとか、損害賠償請求に伴う負担リスク、敗訴リスクとかもあるからということで、それはもう実は、減額されているものの中身としては、補修費じゃなくなっちゃっていると言わざるを得ないと思うんですね。
転売した旧区分所有者が実際に損害賠償請求をすることがないということは、先ほどから申し上げているとおり、我々も、私もそうですし、欠陥住宅被害全国連絡協議会の会員も、転売した旧区分所有者が業者に対して補修費の損害賠償請求をしたという例は見たことがありません。そういう権利があるとすら思っていないはずです。
ということで考えると、この問題について、売却価格の低下の問題というのと、それから損害賠償請求権の帰属の問題は切り離して考えるべきということで、もし売却価格が何らかの低下をもたらしているとした場合であっても、新旧区分所有者の転売当事者間において、将来、例えば損害賠償が得られたというときにはそれで精算しましょうという特約を結んでおいたりとか、特約がないとしても、不当利得返還請求権によって調整するということで、幾らでも調整できるわけです。
そういう意味では、転売当事者間の利益調整の問題を、団体的な規律を考えているマンションの共用部分の損害賠償請求権の帰属において考えるべきではないと考えます。
以上です。
33
奥下剛光(維新)
ありがとうございます。
では、神崎参考人に引き続きお尋ねしたいと思いますけれども、そうすると、欠陥の発覚前に転売した際、旧区分所有者が新区分所有者に責任を負わない特約がある場合、潜在的に損害賠償請求権を譲渡したと解されるとの意見がございますが、これについてどう思われますかということと、現在の標準的な売買契約書には、売主の免責に伴い、潜在的な損害賠償請求権を買主に譲渡する旨の規定がございません。今後は入れてもらうようにすることも考えられるとの意見がございますが、この二つについてどうお考えでしょうか。
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34神神崎哲欠陥住宅被害全国連絡協議会幹事長
一点目の質問につきましては、民法四百六十七条一項は、指名債権の譲渡について、譲渡人が債務者に通知し、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができないと規定しています。すなわち、旧区分所有者が業者に債権譲渡通知を出さなければ、新区分所有者は業者に損害賠償請求権の譲渡を主張することができないので、そういうふうな、潜在的に損害賠償請求権を譲渡したというような解釈というのは誤っていると思います。実務上も成り立たないと思います。
二点目。売買契約書にそのような条項を盛り込むことは可能で、かつ、それで何ら問題も生じないのであれば、そもそも…
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奥下剛光(維新)
ありがとうございます。
では、旧区分所有者が自ら費用を負担して欠陥を補修した後に転売した場合、市場価格で売れたとしても、旧区分所有者には修補費用の負担額の損害が残るというふうに考えると思うんですけれども、神崎参考人の御意見をお聞かせください。
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