原昌登成蹊大学法学部教授

2025年5月13日・第217回国会 衆議院 厚生労働委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 50 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 111 発言)

ありがとうございます。

まず、特にカスタマーハラスメントに関する意識の問題なんですけれども、これまで歴史を振り返ってみますと、多分、セクハラならセクハラ、パワハラならパワハラについて問題が起こって、社会的にこれは許しておけないよね、そういった共通認識ができて、関係する法律を改正して対応してきた、こういった経緯があるわけですね。

そうしますと、カスタマーハラスメントに関しましては、それがそもそもハラスメントの問題だというふうな認識がされてきたということが新しいということがありまして、社会的に今、カスハラという問題があるということを広く共通認識ができたからこそ、そこで法改正によって事業主への義務づけを中心とした改正に立てるということがありますから、カスハラの問題は、カスハラがハラスメントであるということがそもそも認識されてこなかった、そういった認識が最近になって強くなってきたといったこと、これがあろうかと思います。

そのカスハラに関する意識が強まってきた背景には、例えばいわゆるパワハラ法制化ですとか、そういったことを通して、社会全体で広く、ハラスメントは駄目なんだ、こういった意識が強まっていく中で、カスタマーからのハラスメントも駄目ではないか、こういったことにつながってきたというふうに考えております。

二点目の、顧客ですとか、そういった利用者の方々の権利とのバランスですが、これは非常に重要なポイントかと思います。

一つ言えますのは、カスハラ対策をする根底には顧客の尊重があるということかと思うんですね。つまり、カスハラを野放しにしていては、カスハラをしない大多数の顧客に対して十分な対応ができなくなってしまいます。そこで、カスハラについてまず法律で定義づけを行って、それを受けて各事業主が定義づけを行い、これは許されない、見過ごせないカスハラだということをしっかり明確にすることによって、カスハラではない、受けるべき正当な要求ですとかクレーム、こういったものも明らかになってくる、浮かび上がってくるということがございます。

ですから、権利ということに関しましては、まずカスハラの対策をするということ自体、実は顧客の尊重、顧客のためにもなる、こういった意識を持つということが重要であるということと、カスハラの定義づけを法律をベースにより具体化していくことによって、カスハラではない、そういった正当な要求やクレームにはしっかり対応していく、こういった意識を醸成することが重要というふうに考えます。

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