津村啓介 (立憲民主党)

2025年6月12日・第217回国会 衆議院 憲法審査会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 44 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 47 発言)

立憲民主党の津村啓介です。

昨年末の臨時国会から初めて憲法審査会に参加させていただきました。

今国会の憲法審査会では、枝野会長の下、日本国憲法の普遍的な価値に様々な角度から光が当てられました。議論を経て明らかになったのは、制定から八十年近くを経た今日も憲法改正を必要とする立法事実は確認されなかったという重い事実です。

本日、幹事会において五会派から骨子案が配付をされました。しかし、これは自民党総務会の了承を経ることなく、十分な党内手続を経たものではありません。参議院選挙を控え、参議院選挙向けのむなしい政治的パフォーマンスにすぎず、本審査会の六か月の議論を踏まえたものとは到底言えないものであることを冒頭明確にしておきたいと思います。

選挙困難事態の立法事実が認められないという点について、私から一点申し添えます。

憲法四十三条一項は、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」と定めています。

ここに言う全国民の代表の解釈について、一部会派は、いわゆる社会学的代表論に立ち、一定の範囲の被災地域において議員が不在となれば四十三条の要請が満たされないとの主張を行いました。

いわゆる社会学的代表とは、実在する民意を忠実に反映しつつ、同時に、自ら統一的な国家意思形成を行うことを目指す代表観を指します。ここでの民意とは、選挙区の地域のみを対象としたものではありません。

また、公職選挙法十六条で、議員が、「行政区画その他の区域の変更によりその選挙区に異動があつても、その職を失うことはない。」としているのも、議員の全国民の代表性、選挙区の選挙人に対する法的独立性を受けてのものだと解されています。

被災地選出議員が一時的に不在となった場合に社会学的代表の観念に反するとの主張は、そもそも社会学的代表概念に対する理解が誤っていると言わざるを得ません。

改めて申し上げますが、本日幹事会で配付された骨子案は、自民党総務会の了承を得たものではありません。党内手続が不完全なものであるということを幹事会で確認させていただきました。

また、昨年十二月十九日の衆議院憲法審査会において、日本維新の会の阿部委員から、厚生労働省の職員、国連職員として、危機管理政策を専門として仕事をされてきた経験から、緊急事態と非常事態、これは全く異なる概念で、それらに相当する緊急事態条項と国家緊急権も全く異なる概念だということを強調されておられました。非常事態の一例であります戦争の例を挙げて議員任期延長の話をされるのは、この阿部委員の指摘と矛盾した主張となっています。

こうした各会派の党内不一致の骨子案をこのような形で幹事会で配付をされたことは、大変遺憾でございます。憲法審査会の権威に関わる大変遺憾な事態だというふうに考えてございます。

憲法の理念を生かす議論、憲法が遵守されていない実態こそ徹底的に議論をし、憲法に基づく政治を取り戻す議論こそが憲法審査会に求められています。

以上です。

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