西園勝秀 (公明党)

2025年3月26日・第217回国会 衆議院 外務委員会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 139 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 165 発言)

ありがとうございます。田中理事長を始めJICAの皆様には、日本の血税を決して無駄にすることなく、有効な国際協力を進めていただくことを期待をいたします。

次に、中国の対外援助に対する日本の対応について伺います。

私は、JICAに勤務していた際、途上国のニーズに合わせた案件形成に努めてまいりました。その中で、相手国の政府機関との協議では、日本の提案が中国の支援と比較されることがよくありました。日本のインフラ支援は、質は高いがコストがかかり、工期が長いと指摘されることが多々あり、そのことが印象深く残っております。

相手国の首脳が日本の技術力や品質のよさを理解していれば、多少のコストや工期の長さは問題にならず、日本の支援を選んでくれます。しかし、各国の政治的な事情によってスピードや安さが優先され、結果として中国の支援が選ばれることが多くあります。

スリランカ南部のハンバントタ港の整備は、その代表的な事例の一つです。ラジャパクサ元大統領の地元であったこともあり、彼の任期中に大型の港を建設したいという意向から、二〇〇八年に中国の融資を受けて工事が始まりました。そして、二〇一〇年に第一期工事、二〇一五年に第二期工事が完了しました。しかし、スリランカ政府は、返済に行き詰まり、債務を削減する代わりに港の運営権を中国企業に九十九年間譲渡することになりました。この取引は、中国が途上国への影響を強める債務のわなだとして、国際的に批判をされております。

欧米や日本などのOECD加盟国は、重債務貧困国に対しては、有償援助の債務を帳消しにした上で、その後は主に無償援助の形で支援を行うようになりました。しかし、その頃から中国は、これらの国々への貸付けを増やし、OECD加盟国が債務を免除した後に多額の融資を供与するようになりました。そして、返済が困難になった国に対しては事業の運営権の取得を強要するなど、中国は、国際的なルールを無視し、自国の経済的利益を優先する姿勢を強めています。こうした状況は決して看過できません。

世界第二位の経済大国である中国には、国際的なルールの枠組みに参加し、責任ある援助を行うことが求められます。ただし、OECDへの中国の加盟をめぐり、加盟国の間で意見が分かれているのも事実です。中国がOECDに参加すれば、中国の経済政策が国際基準に近づき、他国との協力が円滑になることが期待されます。一方で、中国の市場経済の不透明性や政府の関与の強さ、人権問題などが、OECDの価値観と一致しないとの懸念もあります。さらに、中国がOECDに加盟することにより、公正な競争環境の確保が難しくなる可能性があることから、慎重な議論が必要だと考える国もあります。

このようなことを踏まえ、中国に責任ある援助を行ってもらうよう、政府として中国にどのように対応していく方針なのか、岩屋外務大臣の御見解をお聞かせください。

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