篠原豪 (立憲民主党)

2025年6月12日・第217回国会 衆議院 安全保障委員会 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 67 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 156 発言)

とはいえ、トランプさんの停戦が意味しているものは、いろいろ心配されている中で、ウクライナへの軍事、財政支援を削減して停戦合意を受け入れさせる。現状のままではあり得るんじゃないかと心配している、そういうことを表明している国際社会の各国の方々もいらっしゃる状態がある。今ヨーロッパの話もされましたけれども、こうした停戦が実現した場合、それで事態が収束することはないんじゃないかと多くの方が考えているんだと思います。

プーチン大統領の目的はかつてのロシア勢力圏を回復させることだと思いますので、ウクライナ内政に介入して親ロシア政権を打ち立てて、次にバルト三国とかポーランドとか、我々はそういったところに行ってしっかりとお話を聞いてくるのも大事だと思っていますけれども、サイバー攻撃やハイブリッド戦術を強化してNATOの分裂を図って、旧東欧への影響力を確立するんじゃないかというようなことを言う方々もいるわけです。

こうした欧州におけるロシア勢力圏の拡大がアメリカへの信頼性を著しく低下させていて、欧州における抑止体制を破綻させることになるということを、トランプ政権が周りにもいっぱいいらっしゃいますから気づかないことはないんだと思うんです。本当にこれを容認しているのかという疑問が湧いてくるわけです。

バンス副大統領のブレーンのアメリカのノートルダム大学のパトリック・デニーン教授という方がいらっしゃいまして、彼はこう述べているんです。

朝日新聞の五月二十日の朝刊にあったんですけれども、トランプ政権が今、デンマーク自治領グリーンランドやパナマ、カナダなどへの権益を主張しているのは、アメリカの勢力圏だという発想があるからです。だから、ロシア側の主張する勢力圏も理解できる。ウクライナでの停戦をめぐる今後の交渉では、ロシア語が話されているウクライナの地域はロシアの勢力圏であることを認める帰結を迎えることでしょう。事実上、帝国によって世界が再編される。それがポストリベラル時代のレアルポリティークだと書いているんです。

これを単なる知識人の意見と見ることができないのは、トランプ大統領が一月二十日の就任演説で、アメリカ合衆国は再び自らを成長する国とみなす、富を増やし、領土を広げ、新しく美しい地平線に旗を掲げる国だ、そこまで言っているんです。ですので、トランプ大統領によるロシアのウクライナ侵略をめぐる停戦交渉が実現した途端に、我々が考えなきゃいけないのは、大国が分割支配する勢力圏を軸とした新しい世界が始まる可能性があるということだと思うんです。

このことについて、私はこういうふうに考えていますし、恐らく防衛大臣もうなずいていらっしゃいますので考えていらっしゃると思うんですけれども、民主主義は百五十年とか百年ずっと形は変わっていないんですが、様々な、ハイブリッド戦だとかサイバーだとかコミュニケーションツールだとか、全て技術ツールが変わってきて、今こういう世界を迎えている中で、今私が申し上げたようなこと、トランプさんの主張はまるで十九世紀的な帝国主義の世界観じゃないかと思うんですけれども、こうした世界観を避けられない現実としないようにするためにも、こういう力の論理が再び台頭する時代だから、これを回避するためにどういうふうにしなきゃいけないかという議論をさせていただきたいんですが、このことについて外務大臣はどう思われているか、お伺いします。

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