とはいえ、トランプさんの停戦が意味しているものは、いろいろ心配されている中で、ウクライナへの軍事、財政支援を削減して停戦合意を受け入れさせる。現状のままではあり得るんじゃないかと心配している、そういうことを表明している国際社会の各国の方々もいらっしゃる状態がある。今ヨーロッパの話もされましたけれども、こうした停戦が実現した場合、それで事態が収束することはないんじゃないかと多くの方が考えているんだと思います。
プーチン大統領の目的はかつてのロシア勢力圏を回復させることだと思いますので、ウクライナ内政に介入して親ロシア政権を打ち立てて、次にバルト三国とかポーランドとか、我々はそういったところに行ってしっかりとお話を聞いてくるのも大事だと思っていますけれども、サイバー攻撃やハイブリッド戦術を強化してNATOの分裂を図って、旧東欧への影響力を確立するんじゃないかというようなことを言う方々もいるわけです。
こうした欧州におけるロシア勢力圏の拡大がアメリカへの信頼性を著しく低下させていて、欧州における抑止体制を破綻させることになるということを、トランプ政権が周りにもいっぱいいらっしゃいますから気づかないことはないんだと思うんです。本当にこれを容認しているのかという疑問が湧いてくるわけです。
バンス副大統領のブレーンのアメリカのノートルダム大学のパトリック・デニーン教授という方がいらっしゃいまして、彼はこう述べているんです。
朝日新聞の五月二十日の朝刊にあったんですけれども、トランプ政権が今、デンマーク自治領グリーンランドやパナマ、カナダなどへの権益を主張しているのは、アメリカの勢力圏だという発想があるからです。だから、ロシア側の主張する勢力圏も理解できる。ウクライナでの停戦をめぐる今後の交渉では、ロシア語が話されているウクライナの地域はロシアの勢力圏であることを認める帰結を迎えることでしょう。事実上、帝国によって世界が再編される。それがポストリベラル時代のレアルポリティークだと書いているんです。
これを単なる知識人の意見と見ることができないのは、トランプ大統領が一月二十日の就任演説で、アメリカ合衆国は再び自らを成長する国とみなす、富を増やし、領土を広げ、新しく美しい地平線に旗を掲げる国だ、そこまで言っているんです。ですので、トランプ大統領によるロシアのウクライナ侵略をめぐる停戦交渉が実現した途端に、我々が考えなきゃいけないのは、大国が分割支配する勢力圏を軸とした新しい世界が始まる可能性があるということだと思うんです。
このことについて、私はこういうふうに考えていますし、恐らく防衛大臣もうなずいていらっしゃいますので考えていらっしゃると思うんですけれども、民主主義は百五十年とか百年ずっと形は変わっていないんですが、様々な、ハイブリッド戦だとかサイバーだとかコミュニケーションツールだとか、全て技術ツールが変わってきて、今こういう世界を迎えている中で、今私が申し上げたようなこと、トランプさんの主張はまるで十九世紀的な帝国主義の世界観じゃないかと思うんですけれども、こうした世界観を避けられない現実としないようにするためにも、こういう力の論理が再び台頭する時代だから、これを回避するためにどういうふうにしなきゃいけないかという議論をさせていただきたいんですが、このことについて外務大臣はどう思われているか、お伺いします。
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岩屋毅(自民)外務大臣
ウクライナにおける平和の在り方は、欧州のみならず、インド太平洋を含む世界の安全保障に大きな影響を与え得るものだと考えております。
また、力による一方的な現状変更の試みは、世界のどこであれ、決して容認できず、ここから誤った教訓が導き出されてはならないと考えております。
こういう問題意識を私自身も四月のNATO外相会合を始め様々な機会において発信してきておりますが、我が国としては、国際社会の結束の下に、早期の全面停戦、ひいては公正かつ永続的な平和の実現につながるように、今後とも国際社会と緊密に連携して取り組んでまいりたいと考えております。
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篠原豪(立憲)
それはそれでしっかりと守っていくということで発信していただいていることは大変よろしいことと存じます。
ところが、トランプ大統領は、一月に再登場してからウクライナ支援に消極的で、侵略されたウクライナの頭越しに米ロで停戦協議を行おうとしているのはまずいんじゃないか。中東でもそういうことがありました。なので、そういう話も議論としてこれまで委員会でさせていただいたところですけれども、クリミアを含む領土奪還を目指している、二〇一四年にロシアが併合したところについての主張を非現実的な目標だと断言して、そして、NATOへの加盟を認めず、ゼレンスキー氏を選挙なき独裁者…
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岩屋毅(自民)外務大臣
米国は、トランプ大統領就任以来、ウクライナ情勢の打開を図るべくイニシアチブは発揮してきていると思います。ウクライナ、欧州、ロシアのそれぞれと首脳レベルを含めた協議を累次にわたって行ってきております。
今年一月から、米・ウクライナ首脳同士の接点は九回ございました。そして、米ロ間では四回の首脳電話会談が行われてきております。今協議が継続している最中ですから予断を持ってなかなか申し上げられないんですけれども、我が国としては、米国のイニシアチブは評価しつつ、また、欧州の外交努力も評価しております。
こうした取組が先ほど申し上げたように早期の全面停戦、ひいては…
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- (上の発言)
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篠原豪(立憲)
とはいえ、トランプさんの停戦が意味しているものは、いろいろ心配されている中で、ウクライナへの軍事、財政支援を削減して停戦合意を受け入れさせる。現状のままではあり得るんじゃないかと心配している、そういうことを表明している国際社会の各国の方々もいらっしゃる状態がある。今ヨーロッパの話もされましたけれども、こうした停戦が実現した場合、それで事態が収束することはないんじゃないかと多くの方が考えているんだと思います。
プーチン大統領の目的はかつてのロシア勢力圏を回復させることだと思いますので、ウクライナ内政に介入して親ロシア政権を打ち立てて、次にバルト三国とかポーランドとか、我々はそういったところに行ってしっかりとお話を聞いてくるのも大事だと思っていますけれども、サイバー攻撃やハイブリッド戦術を強化してNATOの分裂を図って、旧東欧への影響力を確立するんじゃないかというようなことを言う方々もいるわけです。
こうした欧州におけるロシア勢力圏の拡大がアメリカへの信頼性を著しく低下させていて、欧州における抑止体制を破綻させることになるということを、トランプ政権が周りにもいっぱいいらっしゃいますから気づかないことはないんだと思うんです。本当にこれを容認しているのかという疑問が湧いてくるわけです。
バンス副大統領のブレーンのアメリカのノートルダム大学のパトリック・デニーン教授という方がいらっしゃいまして、彼はこう述べているんです。
朝日新聞の五月二十日の朝刊にあったんですけれども、トランプ政権が今、デンマーク自治領グリーンランドやパナマ、カナダなどへの権益を主張しているのは、アメリカの勢力圏だという発想があるからです。だから、ロシア側の主張する勢力圏も理解できる。ウクライナでの停戦をめぐる今後の交渉では、ロシア語が話されているウクライナの地域はロシアの勢力圏であることを認める帰結を迎えることでしょう。事実上、帝国によって世界が再編される。それがポストリベラル時代のレアルポリティークだと書いているんです。
これを単なる知識人の意見と見ることができないのは、トランプ大統領が一月二十日の就任演説で、アメリカ合衆国は再び自らを成長する国とみなす、富を増やし、領土を広げ、新しく美しい地平線に旗を掲げる国だ、そこまで言っているんです。ですので、トランプ大統領によるロシアのウクライナ侵略をめぐる停戦交渉が実現した途端に、我々が考えなきゃいけないのは、大国が分割支配する勢力圏を軸とした新しい世界が始まる可能性があるということだと思うんです。
このことについて、私はこういうふうに考えていますし、恐らく防衛大臣もうなずいていらっしゃいますので考えていらっしゃると思うんですけれども、民主主義は百五十年とか百年ずっと形は変わっていないんですが、様々な、ハイブリッド戦だとかサイバーだとかコミュニケーションツールだとか、全て技術ツールが変わってきて、今こういう世界を迎えている中で、今私が申し上げたようなこと、トランプさんの主張はまるで十九世紀的な帝国主義の世界観じゃないかと思うんですけれども、こうした世界観を避けられない現実としないようにするためにも、こういう力の論理が再び台頭する時代だから、これを回避するためにどういうふうにしなきゃいけないかという議論をさせていただきたいんですが、このことについて外務大臣はどう思われているか、お伺いします。
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岩屋毅(自民)外務大臣
世上、様々な見方があり、様々な議論が行われているということだと思います。
しかし、大切なことは、法の支配に基づく国際秩序というものがしっかり堅持されなければならないということだと思っておりまして、間もなくカナダでG7サミットも行われますが、そこにはトランプ大統領も出席される予定だと承知しております。様々な地域情勢、国際情勢がテーマになると思いますが、その中でウクライナについても議論されることになると思います。
ここで大事なのはG7が結束を保つことだと思っておりまして、我が国の役割は、米国の意見も聞き、欧州の意見も聞きながら、G7の結束をしっかり図る結…
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篠原豪(立憲)
世界を見渡しますと、この環境に対応するために、欧州は、戦略的に自律化する、お金をかけて自分たちで守ろうみたいなことにもなってきていますし、我々は、そういったNATOの各国としっかりと話をして、アメリカと対抗できる勢力圏、パワーを持っているのはヨーロッパなので、アメリカ以外でですね、というふうに一つ大きなところですので、そういうことも大事にしていただきたいと思っていますし、本来であれば、こういったトランプ・リスクがどういうふうに台湾海峡に及ぶのか、そういう議論も今日はしたかったんですけれども、時間がないのでさせていただけないので最後の質問に移らせていただき…
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中谷元(自民)防衛大臣
このオーシャン構想というのは、せんだってシンガポールで行われましたアジア国防大臣会議において提唱したものでありますが、インド太平洋地域におきましても力による現状変更とか力による支配が行われることはよろしくなくて、何とか国際秩序が保たれるようなルールができないかということで、二つの精神を呼びかけております。
一つは、開放性、包摂性、透明性を確保しながら協力、連携を進めていくということで、三つの柱を立てました。一つは、ルールに基づく国際秩序を回復していく。二つ目は、アカウンタビリティーを強化する。三つ目は、国際公共益を増進していくということでございます。
…
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