今おっしゃったロシアによるウクライナの侵攻は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙ということ、そして残り二つをおっしゃられましたけれども、これは、この立場をしっかりと堅持していただければと思います。
そして、アメリカの戦略上の課題と対応についてお伺いしたいと思います。
一九九一年にソ連が崩壊し、東西冷戦が終結をしました。アメリカは唯一の超大国としてそのときからの地位を確立していますけれども、二〇〇一年の九月十一日の同時多発テロから、その後の対テロ戦争でアメリカの国力が消耗する。一方、その間に経済的にも軍事的にも台頭してきた中国がアメリカを脅かす存在になりました。そこで、オバマ大統領のときですけれども、二〇一二年の一月に発表した軍事戦略では、アジア太平洋地域へのリバランスを打ち出しました。これは、中国との競争に注力する姿勢を示したものであります。
トランプ大統領も、対中戦略を重視する姿勢を示して、一期目の二〇一八年十二月の中頃にはシリアの駐留米軍の早期撤退を表明しました。翌一九年一月に、これはアフガン政府の頭越しにやったんですけれども、反政府勢力だったタリバンにアフガン駐留米軍の完全撤退の方針を伝えて、二〇二〇年二月にタリバンと和平合意を結んで、そして翌三月に段階的な撤退を始めたわけです。
ところが、攻勢をその後タリバンが強めまして、アフガン政府との和解協議が進まないということになりまして、やがてアフガン政府が崩壊をするというところにつながりました。そして、それが避けられないと判断をしたバイデン政権は、二〇二一年八月に米軍を完全撤退させて、そしてタリバンの政権復帰が実現するということになったということがありました。
これは、つまり、シリアもそうだったんですけれども、頭越しに交渉することによって、シリアとかアフガニスタンからの駐留米軍の撤退は、アメリカが国力が衰えているから、対中戦略に資源を集中するためには戦略的判断としてせざるを得なかったんだと思います。
このときの戦略的判断を、政府は今の状況を見てどういうふうに捉えているかということを教えていただければと思います。
3
遠藤敬(維新)
質疑の申出がありますので、順次これを許します。篠原豪君。
この発言のページ
4
篠原豪(立憲)
おはようございます。篠原豪でございます。
時間がないので早速中身に入らせていただきたいと思いますけれども、両大臣におかれましては、朝早くからお疲れさまでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
現下、最大の外交課題の焦点の一つは、やはりトランプ大統領が主張するウクライナ停戦だろうと思っております。三年を経て一向に決着を見ないウクライナ戦争を終わらせようと停戦を模索すること自体は、紛争の平和的手段による解決で、これは何ら違和感もございません。
問題は、トランプ大統領がその過程で、侵略をした側のロシアに寄り添い、そしてウクライナに圧力をかける姿勢を…
この発言のページ
5
岩屋毅(自民)外務大臣
ロシアによるウクライナ侵略については、その時々に応じて様々な表現を使っておりますが、主に三つのことを申し上げております。一つは、この侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であるということ、二番目には、このような力による一方的な現状変更は世界のどこであれ容認できないということ、三番目には、法の支配に基づく国際秩序を守るべく国際社会が結束して対応していかなければならないというような表現で、我が国の立場を明らかにしてきたところでございます。
この発言のページ
- (上の発言)
6
篠原豪(立憲)
今おっしゃったロシアによるウクライナの侵攻は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙ということ、そして残り二つをおっしゃられましたけれども、これは、この立場をしっかりと堅持していただければと思います。
そして、アメリカの戦略上の課題と対応についてお伺いしたいと思います。
一九九一年にソ連が崩壊し、東西冷戦が終結をしました。アメリカは唯一の超大国としてそのときからの地位を確立していますけれども、二〇〇一年の九月十一日の同時多発テロから、その後の対テロ戦争でアメリカの国力が消耗する。一方、その間に経済的にも軍事的にも台頭してきた中国がアメリカを脅かす存在になりました。そこで、オバマ大統領のときですけれども、二〇一二年の一月に発表した軍事戦略では、アジア太平洋地域へのリバランスを打ち出しました。これは、中国との競争に注力する姿勢を示したものであります。
トランプ大統領も、対中戦略を重視する姿勢を示して、一期目の二〇一八年十二月の中頃にはシリアの駐留米軍の早期撤退を表明しました。翌一九年一月に、これはアフガン政府の頭越しにやったんですけれども、反政府勢力だったタリバンにアフガン駐留米軍の完全撤退の方針を伝えて、二〇二〇年二月にタリバンと和平合意を結んで、そして翌三月に段階的な撤退を始めたわけです。
ところが、攻勢をその後タリバンが強めまして、アフガン政府との和解協議が進まないということになりまして、やがてアフガン政府が崩壊をするというところにつながりました。そして、それが避けられないと判断をしたバイデン政権は、二〇二一年八月に米軍を完全撤退させて、そしてタリバンの政権復帰が実現するということになったということがありました。
これは、つまり、シリアもそうだったんですけれども、頭越しに交渉することによって、シリアとかアフガニスタンからの駐留米軍の撤退は、アメリカが国力が衰えているから、対中戦略に資源を集中するためには戦略的判断としてせざるを得なかったんだと思います。
このときの戦略的判断を、政府は今の状況を見てどういうふうに捉えているかということを教えていただければと思います。
7
岩屋毅(自民)外務大臣
米国の戦略的判断について我が方からこれを断定的に評価するということは避けたいというふうに思いますけれども、米国がインド太平洋地域を極めて重視しているということについては、我が国としては歓迎をしたいというふうに思っております。
いずれにしても、米国は国際社会の平和と安全に不可欠な役割を果たしていると思うし、果たしてもらわなければならないというふうに思っておりますので、引き続き、中東あるいはウクライナ、様々な課題の対応でも緊密に連携をしていきたいというふうに考えております。
この発言のページ
8
篠原豪(立憲)
今、アメリカの戦略的判断については我が国としては申し述べる立場にないということではありますが、その後お話しされたウクライナの話というのは、このときのアメリカの戦略的判断をロシアは見ていて、そして、そのロシアは、対中戦略に行かなければいけないということにアメリカがシフトするのならば、プーチンさんは、アメリカのこのリソース動員とその他の地域の力の空白を絶好のチャンスと捉えた。そして、その捉えた結果、クリミアの問題に、併合につながっていっているということでございますので、これをてことしたウクライナ侵略へと突き進んだことはやはり考えなければいけないと思いますので…
この発言のページ
9
岩屋毅(自民)外務大臣
ウクライナ侵略の遠因が那辺にあるかということについては、今委員御指摘があったようなお話も含めていろいろな見方があるんだろうと思いますけれども、これを政府として断定的に評価することは控えたいというふうに思っております。
今日、中東ガザにしても、あるいはウクライナにしても、様々な見方、評価がありますが、米国の新政権のイニシアチブによって膠着していた事態が動き始めたということは事実だろうと思いますので、我々としては、これを歓迎し、これがよい結論に導かれるように、同盟国として、またG7の一員として、しっかり支援をしていきたいと考えているところでございます。
この発言のページ